クリニックコラム

疲れやすい人の特徴や原因を徹底解説【医師監修】

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疲れやすい人の特徴や原因を徹底解説【医師監修】

疲れ(疲労)の原因は、働き過ぎたり、運動し過ぎたりして、体力を消耗するからだけではありません。

日常生活には、疲れやすくなる様々な原因が潜んでいます。

誰でも、できれば疲れを溜めずに、毎日元気に過ごしたいと思うはず。
そのためには、疲れやすくなる原因を知り、対処することが大切です。

今回は、慢性的に疲れやすくなる人の特徴や原因、対処方法について解説します。

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疲れ(疲労)とは?

疲れている人

そもそも、疲れ(疲労)とは、心身へ過負荷が生じることによって、肉体的、または精神的な活動能力が低下する状態のことです。

一般社団法人日本疲労学会では、疲れ(疲労)を以下のように定義しています。

疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である。

また、痛みや発熱と同様に、人間の生命維持に必要な生理的機能を正常に保とうとするホメオスタシス(Homeostasis:恒常性)の一つとしても働いています。
日常で感じる疲労感や倦怠感は「病気にならないように休息が必要!」という体からの警報(サイン)なのです。

心身の活動を制限することで、体を守ろうとしている状態とも言えるでしょう。

ちなみに、厚生労働省の調査では、日本国内で疲労感を自覚している人の割合は、就労人口の約6割もいると推定されています。

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疲れの種類

疲れの種類

疲れは、大きく「肉体的な疲れ(末梢性疲労)」と「精神的・神経的な疲れ(中枢性疲労)」の2種類に分類することができます。

それぞれ、疲れの原因や発生メカニズムなどが異なります。

疲れの種類

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肉体的な疲れ(末梢性疲労)

肉体的に疲れるイメージ

肉体的な疲れは、「末梢性疲労」とも呼ばれています。
末梢性疲労とは、主に筋肉が原因となっている疲れのことです。

運動などによって体を動かすためのエネルギーが不足することで疲れを感じるようになります。

以前は、「乳酸」という疲労物質が筋肉疲労の原因と言われいましたが、現在では乳酸が疲れを発生させるという考え方は間違いであるとされています。
実際は、乳酸の生成過程で発生する水素イオンなどの影響により、体のpHバランスが酸性に傾くことで、エネルギー源である筋グリコーゲン(糖質)の蓄えが少なくなることが筋肉疲労の原因の一つと言われています。

精神的・神経的な疲れ(中枢性疲労)

目が疲れる男性

精神的・神経的な疲れは、「中枢性疲労」とも呼ばれています。
中枢性疲労とは、脳や神経が原因となっている疲れのことです。

人間関係や悩み事などのストレスで脳の緊張状態が続いたり、パソコンやスマートフォンなどの電子機器の使用によって、視神経の緊張状態が続くことによって疲れを感じるようになります。

体を酷使しているわけではないのに、疲れを感じている場合は、中枢性疲労の状態と言えます。

中枢性疲労は、脳や神経の酷使によって内臓の働きなどを調整してくれる自律神経が乱れ、交感神経が優位な状態になった結果引き起こされます。
交感神経が優位になると活性酸素が大量に発生し、「酸化ストレス」と呼ばれる状態になります。

活性酸素が一定量を超え、酸化ストレス状態になると、慢性的な疲れやだるさを感じるようになってしまうのです。

疲れやすい人の特徴や原因

疲れやすい人のイメージ

疲れやすい人には、疲れやすくなる何らかの原因が必ず存在します。

疲れやすい人の特徴や原因をご紹介するので、自分が疲れやすい人の特徴に当てはまっていないか確認してみましょう。

疲れやすい人の特徴や原因

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運動不足

ベッドでパソコンを使う人

運動不足が常態化してしまっている方は、疲れやすくなります。
単純に、「運動のし過ぎ」によって体力を消耗すると疲れてしまいますが、「運動のしなさ過ぎ」も疲れやすさに繋がるのです。

運動不足によって体力や筋力が低下するとただ歩いたり、姿勢や体のバランスを保つだけでも多くのエネルギーが必要になります。
また、新陳代謝も低下するので、血液や酸素の循環が悪くなり、血圧の上昇や肺活量の減少に繋がり、体力や筋力低下の悪循環を招いてしまいます。

体を維持するためにより多くのエネルギーが必要になることが、疲れやすくなる原因の一つと言えるでしょう。

その他、運動不足は自律神経の働きを抑え、ホルモンバランスなどを乱すので、精神的にも不安定になりやすくなります。
自律神経の乱れは、中枢性疲労に直結します。

運動不足は、肉体的にも精神的にも疲れを招くと言えるでしょう。

「疲れにくい体」を作るためには、運動を習慣化する必要があります。
毎日30分程度、体に負荷のかかりづらいウォーキングやランニングなどの有酸素運動を行うようにすると良いでしょう。

睡眠不足

夜更かしをする人

睡眠不足によって生活リズムが乱れてしまっている方は、疲れやすくなります。

睡眠は、体や脳を休めるために必要不可欠な時間です。
また、食べ物を消化吸収し、日中の活動に必要なエネルギーが蓄えられる時間でもあります。

しかし、睡眠不足で生活リズムが乱れてしまうと疲れがとれにくくなり、慢性的な疲れやすさの原因になってしまいます。
起きている時間が長ければ、疲れをとるための休息時間が短く、それだけエネルギーを消耗しやすくなるからです。

その他、睡眠不足は、運動不足と同様に自律神経の乱れを引き起こす原因になります。
睡眠不足は生活リズムを乱し、心身の健康に様々な影響を及ぼすのです。

寝る前にパソコンやスマートフォンなどの電子機器を使用しまうと、画面から発せられるブルーライトによって睡眠の質が低下してしまいます。
就寝時間の30分前にはパソコンやスマートフォンなどの操作をやめ、画面を見ないようにしましょう。

睡眠時間を十分に確保すると同時に睡眠の質を上げることが大切です。

ストレス

ストレスを抱えた人

何らかのストレスを抱えている方は、疲れやすくなります。

ストレスは、自律神経を刺激するため、脳が緊張状態に陥ってしまいます。
つまり、解消しなければ中枢性疲労に繋がってしまうということです。

日常生活の中には、ストレスとなるものが多く存在しています。
とある調査では、現代人は職場の人間関係によってストレスを受ける方が最も多いと言われています。

とはいえ、ストレスを抱え込まないように生きるのは難しいので、ストレスを定期的に発散して気分転換することが大切です。
自分なりにストレスを上手く発散できる方法を見つけましょう。

HSP気質

落ち込むサラリーマン

HSP気質の方は、疲れやすくなります。

HSP(Highly Sensitive Person:ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、直訳すると「非常に敏感な人」「とても繊細な人」という意味で、生まれつき非常に感受性が強く、敏感で繊細な気質を持った人のことです。
HSP気質の方は、共感性が高いので、人やその場の空気を読み取る能力に長けています。

しかし、周囲の刺激にも敏感に反応し、共感してしまうため、必要以上に気疲れしてしまう傾向があります。
さらに、繊細な心を持っているため、他人よりも傷つきやすく「生きづらさ」を感じてしまうことも、疲れやすさに繋がってしまいます。

HSP気質の方は、周囲の人に自分がHSP気質であることを伝え、受け取る情報の量に溺れたり、深くこだわりすぎないよう、人間関係などに一定の距離を置く必要があるでしょう。

姿勢の歪み

姿勢の悪い男性

姿勢が歪んでいる方は、疲れやすくなります。

姿勢が歪んでいると体のバランスを整えるため、一部の筋肉へ極端に負担をかけることになるので、疲れやすくなる原因の一つになると言われています。

特に、デスクワーク中心の仕事をしている方や日常の活動量が少ない方などは同じ姿勢を維持し続けやすいので、筋肉の張り(凝り)によって、疲労感を感じやすくなります。

姿勢の歪みは、日常の些細な癖がきっかけで引き起こされることがあります。
下記の様な癖がある方は改善したほうが良いでしょう。

姿勢の歪みに繋がる癖

  • 頬杖をつく癖がある方
  • 足を組んで座る癖がある方
  • 猫背や反り腰の癖がある方
  • 横座りやアヒル座りする癖がある方
  • 片足に重心を掛けて立つ癖がある方
  • バッグやカバンを片方の肩にかけたり手で持ち続ける癖がある方
  • etc...

姿勢の歪みが原因で引き起こされる腰痛や肩凝りなどは、体のバランスが崩れ、局所的に負担がかかることが原因です。

そして、腰痛や肩凝りなどが慢性化すると疲れやすくなったり、疲れが取れにくくなってしまうのです。

また、姿勢の歪みは体型(スタイル)にも悪影響を与えます。
姿勢が歪んでいると、内臓の位置がずれ、下腹部がぽっこり出てしまうことがあるのです。

さらに、筋肉の凝りや筋力の低下によって体の動きが徐々に小さくなり、基礎代謝が落ちて太りやすくなります。
肥満体型になってしまうと姿勢の歪みを悪化させる悪循環を生み出してしまいます。

疲れにくい体を作るために、まずは日常の些細な癖を見直し、姿勢の歪みを改善することが大切です。

何らかの疾患

胸を抑える男性

感染症(風邪やインフルエンザなど)や心血管系疾患、精神疾患など何らかの疾患を抱えている方は、疲れやすくなります。

単純に、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると体の回復力や免疫力が低下し、体力を消耗するので、疲れやすくなるでしょう。

また、心血管系疾患を抱えている方は、心臓や血管が弱っており、全身に血液(酸素)を送るだけでも体力を消耗しがちで、動悸や息切れで疲労感を感じやすくなります。

その他、休養しても回復しない疲労感や倦怠感は、重大な疾患が潜んでいることがあるので、注意が必要です。
特に、自律神経失調症やうつ病などの精神疾患は、中枢性疲労に直結してしまいます。

質の良い睡眠をいくらとっても疲れがなかなか取れない場合は、何らかの疾患を疑ったほうが良いでしょう。
そして、何らかの疾患が原因で疲れを感じていた場合は、疾患の治療が最優先となります。

食生活の乱れ

ハンバーガー

食生活が乱れ、栄養バランスが偏っている方は、疲れやすくなります。

朝食を食べないと、糖質やたんぱく質などが不足するので、体内時計がリセットされません。
体内リズムの乱れは、自律神経の乱れに繋がり、結果として疲れを感じる原因になります。

また、朝食や昼食を軽く済ませるのも良くありません。
1日の活動に必要なビタミン類やミネラルなどの栄養素が不足しがちになります。

特に、ビタミン類の中でもビタミンB1が不足すると、エネルギー(糖質)の代謝が滞り、疲労物質が蓄積されるため、体が疲れやすくなります。
さらに、カルシウムや鉄分などのミネラルの不足は、運動能力の低下を招き、疲れやすい原因になります。
カルシウムは骨を丈夫にする以外にも、筋肉をスムーズに動かす働きがあり、鉄分は体内の酸素を運ぶ働きがあり、それぞれ運動能力に関係しているのです。

甘い物(糖質や炭水化物)を一度に多く食べることも疲れやすさに繋がります。
甘い物をたくさん食べると血糖値の急激な上昇を抑えるために糖質をエネルギーに変えるインスリンの分泌量が急激に増加し、反動で血糖値が急降下します。
急激に上昇した血糖値が急降下し低血糖状態になると、強い疲労感や倦怠感を感じる原因になるのです。

その他、胃腸への負担も疲れやすさに繋がります。
早食いであったり、よく噛まないで食べると、消化不良をおこし、胃腸への負担になります。

寝る前の夜食にも注意が必要です。
睡眠中に消化吸収が行われ、胃腸が休まらず、疲れが取れにくくなってしまいます。

疲れを招かない規則正しい食生活と栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

脳のアイドリング

脳

常に脳のアイドリング状態が続いている方は、疲れやすくなります。

脳のアイドリング状態とは、DMN(Default Mode Network:デフォルト・モード・ネットワーク)と呼ばれる脳の神経回路が働き、意識的な思考活動をしていない状態のことです。
簡単に言えば、無意識にぼんやりとしている状態です。

DMNは、「自動車のアイドリング状態」とよく似ています。
脳が完全に休んでしまうと、咄嗟の判断や危機に反応できなくなるので、脳の一部の神経回路(DMN)が待機状態になり、万が一に備えています。

しかし、DMNを働かせすぎると、脳のエネルギーが不足し、疲労感を感じやすくなってしまいます。
DMNのエネルギー消費量は、脳全体のエネルギー消費の約60%〜80%を占めるとも言われています。

仕事をしたり、本を読んで意識的に脳を働かせている時間より、ぼーっとしている時間のほうがエネルギーを使っているのです。

「脳のアイドリング状態」は、脳を最も疲れさせることになりかねません。

スマホ依存症の方は、脳のアイドリング状態が続きやすいと言われています。
息抜きのためとは言え、何気なくスマートフォンを操作する時間を減らすようにした方が良いでしょう。

寒暖差耐性

寒そうな男性

寒暖差への耐性が弱い方は、疲れやすくなります。

寒暖差に体が対応しきれないと「寒暖差疲労」を引き起こす原因になります。
寒暖差疲労とは、気温差が大きいために体温を調整する自律神経が過剰に働き、体が疲れてしまう状態のことです。

寒暖差疲労は、一日の最低気温と最高気温の差が大きくなる「真冬」に引き起こされやすいと言われています。
さらに、暖房を使用することで室内外の気温差が広がり、体が寒暖差のある環境に置かれやすくなることも原因の一つです。

そのため、冷房を多く使用する「真夏」でも寒暖差疲労は引き起こされることがあります。

季節の変わり目で体調を崩しやすい方は、寒暖差疲労になりやすいので、注意したほうが良いでしょう。

しかし、寒暖差耐性があったとしても、寒暖差の激しい環境で過ごしていると、体が気温差に対応しようと必要以上にエネルギーを消費してしまいます。
結果として、肉体的な疲労に繋がることもあるので、なるべく寒暖差が激しい環境に居ないようにすることが大切です。

飲酒や喫煙

ビールとたばこ

日常的に飲酒や喫煙をしている方は、疲れやすくなります。

肝臓は、脳の働きに必要な「糖質」や「ケトン体」といったエネルギーを作り出している重要な器官です。

しかし、日常的に飲酒し、アルコールを摂取していると肝臓への負担が蓄積され、肝臓機能が低下してしまいます。
肝臓の働きが弱まると、脳に供給されるはずの糖質やケトン体が産生されにくくなるので、脳がエネルギー不足になり、疲労感を感じる原因になるのです。

日常的にアルコールを摂取していなくても、アルコールを過剰摂取してしまうと「悪酔い」や「二日酔い」を招き、疲れの原因になるので、気を付けましょう。
単純に、アルコールを分解するため肝臓が余計に働くので、疲れやすくなるのです。

また、喫煙(たばこ)は体内で活性酸素を大量に産生させます。
前述した様に、活性酸素が一定量を超え、酸化ストレス状態になると、慢性的な疲れやだるさを感じるようになります。

他にも、たばこの煙には、ニコチンやタール、一酸化炭素など約5,000種類以上の有害な化学物質や約70種類の発がん物質が含まれています。
喫煙により血管は収縮し、血流の悪化に繋がるため、 疲労が回復しづらくなる原因にもなります。

飲酒や喫煙をすればするほど、疲れを生む負のスパイラルに陥ると言えるでしょう。
疲れやすい体になりたくない方は、日常的な飲酒や喫煙を控えましょう。

まとめ~疲れの原因や対処方法は人それぞれ~

人が疲れを感じる原因は、人それぞれ違います。
仕事上の精神的なストレスで疲れを感じる方もいるでしょうし、姿勢の歪みによって疲れが溜まる方もいます。

また、疲れの対処方法も原因によってそれぞれ異なります。
なので、原因によっては単純に体を休めれば疲れが取れるというわけではないのです。

疲れを解消するには疲れの原因を明らかにする必要があります。
「疲れているな」と感じる方は、まずは何が原因で疲れが溜まっているのかをはっきりさせましょう。

肉体的な疲れであれば、当クリニックで行っている「にんにく注射」で疲れを軽減できるかもしれません。
体の酷使によって疲れが溜まっていると感じる方は是非一度、お試しください。

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