ED治療薬「バイアグラ・レビトラ・シアリス」の偽物・偽造品や個人輸入に注意
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ED治療薬の偽物・偽造品とは
バイアグラなどのED治療薬には、偽物・偽造品と呼ばれるものが存在します。
日本を含む世界約60か国以上で「偽造バイアグラ(バイアグラの偽物)」「偽造レビトラ(レビトラの偽物)」「偽造シアリス(シアリスの偽物)」などと呼ばれるED治療薬の偽造医薬品が流通しています。
偽造医薬品は、主にインターネットなどの個人輸入を通じて流通していますが、正確な実態は掴めていません。
そのため、現在でも偽造医薬品の国内流通は依然として続いています。
偽造医薬品は、日本国内では無承認無許可医薬品に該当します。
無承認無許可医薬品とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」、通称「薬機法」に基づく品質、有効性、安全性の確認がされていない医薬品のことです。
2008年のチュニジアのハマメットで開催されたWHO(世界保健機関)のIMPACT会議や2017年のWHO総会において、SSFFC(Substandard/Spurious/Falsely-Labelled/Falsified/Counterfeit Medical Products:低品質医薬品、偽造薬、模造薬などの総称)の定義が議論され、偽造医薬品は以下のように定義されました。
偽造医薬品の定義:製品の同一性、組成や出所起源に関して、故意に/不正に虚偽の表示が行われた医薬品のこと
この定義は、医薬品以外にもパッケージ(外箱)や容器、包装材料、表示ラベルにも適用されます。
偽造医薬品には、バイアグラなどの先発医薬品の偽造品もあれば、バイアグラジェネリックなどの後発医薬品(ジェネリック医薬品)の偽造品もあります。
一般的には、以下のような医薬品を指します。
偽造品の主な特徴
- 表示された有効成分が含まれていない
- 表示された有効成分以外の有効成分が含まれている
- 表示とは異なる起源の有効成分が含まれている
- 表示された用量と異なっている
- 不純物が混入されている
- 含まれている医薬品の成分量が健康被害を生じる恐れのある量が含まれている
- 含まれている医薬品の成分量は、錠剤ごとに必ずしも均⼀ではない
- 不衛⽣な場所や方法で製造された物である恐れがあり、有害な不純物等が含まれている可能性がある
- 不純物等が健康被害を引き起こす可能性がある
- 正規品と偽って販売している
- etc...
国内製薬メーカーが強く警告「ネットによる医薬品入手の約4割は偽物・偽造品」
2016年11月24日に日本国内でED(勃起不全)治療薬を製造・販売している4社「ファイザー株式会社」「バイエル薬品株式会社」「日本新薬株式会社」「日本イーライリリー株式会社」によって、偽造医薬品の注意喚起を目的に4社合同でインターネットで入手したED治療薬の鑑定調査を実施し、その結果を公表しています。
日本とタイの調査会社に調査を依頼して、個人輸入代行業者のインターネットサイトから発注、入手したED治療薬を鑑定した結果、国内外の合計で約4割が偽造品であることが判明したそうです。
日本国内発注分で約4割(35.6%:45件中16件)、タイでの発注分では約5割(48.0%、25件中12件)が偽造品という結果でした。
※調査員がタイを訪問している日本人を装い発注し、現地(タイ)の住所に送付された製品を鑑定
※製品を発注したサイトは、全て日本人向けに作成されており、言語は日本語、商品代金の振り込み先も日本
※調査期間は、2016年3月から2016年8月の6カ月間
偽造品の実態として、未だにネットで入手するED治療薬には多くの偽造品が流通していることが分かりました。
また、偽造品の成分を分析したところ、以下の様な品質のばらつきが見られています。
粗悪な品質の例
- 有効成分の含有量が承認されている用量を超過している
- 有効成分の含有量が承認されている用量を満たしておらず、不足している
- 有効成分が全く含まれていない
- 他の成分が含まれている
- 複数の不純物が含まれている
- etc...
偽造品医薬品は先発医薬品に極めて外見が酷似しているものが多く、ネット上では「本物である」「海外製のジェネリック医薬品である」と偽って販売されているので、注意が必要です。
バイアグラの正規品と偽造品の比較・見分け方
バイアグラの国内正規品と偽造品について「錠剤」「包装(PTP包装シート)」「容器・パッケージ(外箱)」の観点から比較し、見分け方を解説します。
バイアグラの正規品と偽造品の比較
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バイアグラの錠剤を比較
販売名 | バイアグラ錠25mg | バイアグラ錠50mg |
---|---|---|
識別コード | Pfizer/VGR 25 | Pfizer/VGR 50 |
色調など | 青色/フィルムコート錠 | 青色/フィルムコート錠 |
日本国内では、「バイアグラ錠25mg」「バイアグラ錠50mg」の2種類の規格が、厚生労働省より承認され処方されています。
もし、「バイアグラ錠200mg」「バイアグラ錠300mg」「バイアグラ錠800mg」などという規格が存在していた場合は、偽物・偽造品です。
※海外で正規品として販売されている用量には、「バイアグラ錠100mg」という規格も存在しますが、日本は未承認なので、発売されていません
「金色のバイアグラ(ゴールドバイアグラ)」と称して販売されている偽造バイアグラが存在しています。
「Pfizer」「VGR 800」などの刻印が確認できます。
日本国内や海外で流通している正規品のバイアグラは青色の錠剤なので、金色のバイアグラというものは、間違いなく偽造品です。
剤型は同じでも、存在しない識別コード「VGR 300」と刻印されていたり、色の薄い偽造バイアグラが発見されています。
正規品の識別コードは「pfizer」「VGR 25、VGR 50(用量による)」の刻印のみなので、それ以外の識別コードが刻印がされていた場合は、間違いなく偽造品です。
識別コードの刻印がない錠剤や剤型がひし形ではなく楕円形で、本来割線がないはずなのに、割線のある偽造バイアグラが発見されています。
こういった偽造バイアグラは、着色ムラ(色が薄い、または濃い)や不純物が肉眼で確認できたり、表面にフィルムコーティングがされていないこともあります。
バイアグラの包装(PTP包装シート)を比較
国内正規品のバイアグラの錠剤はPTP包装シートで梱包されています。
PTP包装シート自体は、用量ごとに色分けされたデザインになっています。
錠剤が見える表側には、「Pfizer」「VGR 25、VGR 50(用量による)」「VIAGRA®25mg、VIAGRA®50mg(用量による)」といった印字がされています。
裏側には、日本語で「ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません」といった注意書きがあります。
また、「EXP○○.□」(○○は年、□は月)のような形式で使用期限も記載されています。
※海外正規品は1シート4錠のPTP包装シート(国内正規品の場合は、1シート10錠のPTP包装シート)
一見すると、正規品と間違えるほど精巧に作られたPTP包装シートに入った偽造バイアグラが発見されています。
勿論、中身の錠剤も偽造品です。
正規品のレビトラのPTP包装シートと見比べなければ偽物と見破ることが難しい場合があります。
偽造品によっては、1シート4錠でも10錠でもないPTP包装シートに入った偽造バイアグラもあります。
例えば、1シート8錠のPTP包装シートといったものは存在しないので、間違いなく偽造品です。
ジッパー付きの小さなポリ袋に錠剤が剥き出しのまま入れられた偽造バイアグラが発見されています。
正規品のバイアグラがジッパー付きのポリ袋に入れられることはありません。
PTP包装シートに入っていないバイアグラの錠剤には注意しましょう。
海外の税関などでは、違法に偽造バイアグラを密輸しようとして密輸業者が逮捕されるといった事例が後を絶ちません。
その際、ポリ袋やビニール袋に入れられた大量の偽造バイアグラが発見されています。
正規品のバイアグラの錠剤は、1つの袋に乱雑にまとめられて出荷や販売されることはありません。
バイアグラの容器・パッケージ(外箱)を比較
社章である「Pfizer」の文字や勃起不全治療薬としての販売名「バイアグラ錠25mg、バイアグラ錠50mg(用量による)」、製造販売元「ファイザー株式会社」、用量などが記載されています。
パッケージ(外箱)には、偽造防止のためのホログラムシールが貼られています。
開封口には、切り取り線がついており、一度開けると完全に封印出来ない仕組みになっています。
また、側面には「○○○○.□」(○○○○は年、□は月)のような形式で使用期限が記載されています。
米国製のパッケージ(外箱)を精巧に模して作られた偽造バイアグラが発見されています。
一見すると、海外で流通している正規品のバイアグラに見えてしまいます。
しかし、本来あるはずのホログラムシールがパッケージ(外箱)に貼られていないことがあります。
錠剤だけでなく、パッケージも精巧に作られた偽造バイアグラが世界中で流通しています。
米国で承認され、販売されている正規品のバイアグラにはボトル型の容器が存在しますが、ボトルの容器やラベルのデザインの異なる偽造バイアグラが発見されています。
勿論、中身の錠剤も偽造品です。
「Pfizer」「Viagra」などの文字が書かれていますが、正規品のラベルを模して精巧に作られた偽物です。
わざわざ別の容器に詰め替えて販売されることはないので、ご注意ください。
「金色のバイアグラ(ゴールドバイアグラ)」と称して販売されている偽造バイアグラのパッケージ(外箱)と容器です。
いかにも正規品として存在しているかのようなパッケージ(外箱)や容器のラベルなどがデザインされています。
日本国内や海外の正規品で金色のバイアグラというものは存在しないので、間違いなく偽造バイアグラです。
「米国製や中国製だからこのデザインなのかな?」と思わないように注意しましょう。
レビトラの正規品と偽造品の比較・見分け方
レビトラの国内正規品と偽造品について「錠剤」「包装(PTP包装シート)」「容器・パッケージ(外箱)」の観点から比較し、見分け方を解説します。
レビトラの正規品と偽造品の比較
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レビトラの錠剤を比較
販売名 | レビトラ錠5mg | レビトラ錠10mg | レビトラ錠20mg |
---|---|---|---|
識別コード | BAYER/5 | BAYER/10 | BAYER/20 |
色調など | 淡黄赤色/フィルムコート錠 | 淡黄赤色/フィルムコート錠 | 淡黄赤色/フィルムコート錠 |
日本国内では、「レビトラ錠5mg」「レビトラ錠10mg錠」「レビトラ錠20mg」の3種類の規格が、厚生労働省より承認され処方されています。
もし、「レビトラ錠40mg」「レビトラ錠50mg」「レビトラ錠100mg」などという規格が存在していた場合は、偽物・偽造品です。
剤型や錠剤のサイズは同じでも、着色ムラ(色が薄い、または濃い)があったり、錠剤の裏表に「BAYER」「5、10、20(用量による)」の識別コードが刻印されていない偽造レビトラが発見されています。
また、不純物が混入しているのが肉眼でわかることもあります。
劣悪な製造環境で作られた偽造品である証拠です。
識別コードが刻印されていない場合は、間違いなく偽造品です。
剤型が同じでも、錠剤のサイズや着色ムラ(色が薄い、または濃い)があったり、識別コードが正規品と異なっている偽造レビトラが発見されています。
レビトラ錠100mgといった規格の用量は存在しません。
識別コードも「100」と刻印された正規品のレビトラは存在しないので、間違いなく偽造品です。
剤型がカプセル型の偽造レビトラが発見されています。
剤型も錠剤のサイズなども正規品と異なり、もちろん識別コードもありません。
剤型がカプセル型の正規品のレビトラは、日本国内や海外には存在しません。
レビトラの包装(PTP包装シート)を比較
国内正規品のレビトラの錠剤はPTP包装シートで梱包されています。
PTP包装シート自体は、用量ごとに色分けされたデザインになっています。
錠剤が見える表側には、「LEVITRA」「レビトラ5mg、レビトラ10mg、レビトラ20mg(用量による)」「LEVITRA 5、LEVITRA 10、LEVITRA 20(用量による)」といった印字がされています。
裏側には、日本語で「ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません」といった注意書きがあります。
ただし、バイアグラと違ってレビトラのPTP包装シートには、使用期限は記載されていません。
※海外正規品は1シート4錠のPTP包装シート(国内正規品の場合は、1シート10錠のPTP包装シート)
一見すると、正規品と間違えるほど精巧に作られたPTP包装シートに入った偽造レビトラが発見されています。
勿論、中身の錠剤も偽造品です。
正規品のレビトラのPTP包装シートと見比べなければ偽物と見破ることが難しい場合があります。
適当なポリ袋に剥き出しの状態で入れられた偽造レビトラが発見されています。
明らかに不衛生です。
パッケージ(外箱)やPTP包装シートがないので、製造販売元や用量、使用期限など正確な情報を得ることができません。
錠剤が剥き出しでポリ袋に入って販売されることはないので、間違いなく偽造品です。
無地のパッケージ(外箱)とジッパー付きのポリ袋に剥き出しの状態で入れられた偽造レビトラが発見されています。
こちらも明らかに不衛生です。
パッケージ(外箱)は無地でPTP包装シートもないので、製造販売元や用量、使用期限など正確な情報を得ることができません。
無地のパッケージ(外箱)やジッパー付きポリ袋に入って販売されることはないので、間違いなく偽造品です。
レビトラの容器・パッケージ(外箱)を比較
社章である「BAYER」の文字や勃起不全治療薬としての販売名「レビトラ錠5mg、レビトラ錠10mg、レビトラ錠20mg(用量による)」、製造販売元「バイエル薬品株式会社」、用量などが記載されています。
パッケージ(外箱)には、偽造防止のための透かし細工がされています。
開封口には、切り取り線やシールがついており、一度開けると完全に封印出来ない仕組みになっています。
また、側面には「○○○○.□□」(○○○○は年、□□は月)のような形式で使用期限が記載されています。
米国で承認され、販売されている正規品のレビトラにはボトル型の容器が存在しますが、ボトルの容器やラベルのデザインの異なる偽造レビトラが発見されています。
勿論、中身の錠剤も偽造品です。
また、ボトルに付随しているパッケージ(外箱)も正規品とは全く関係ない偽物です。
レビトラを象徴する炎のマークや「LEVITRA」などの文字が書かれていますが、正規品のラベルを模して精巧に作られた偽物です。
わざわざ別の容器に詰め替えて販売されることはないので、ご注意ください。
「100mg vardenafil」と印字されていますが、レビトラ100mgの規格は存在しないため、間違いなく偽造レビトラです。
海外の映画やドラマなどで見られる様なオレンジ色で半透明のピルボトルに入った偽造レビトラが発見されています。
正規品のボトルと完全に異なり、こちらもわざわざ別の容器に詰め替えて販売されることはないので、ご注意ください。
一見すると、レビトラのイメージカラーであるオレンジ色が目立つので、正規品なのかと思うかもしれませんが、間違いなく偽造品です。
精度の低い偽造品は、非常にわかりやすいので、簡単に見分けることができるでしょう。
海外で流通している正規品のボトル容器のデザインは1種類のみです。
ボトルの形や大きさ、色などが異なる偽造バイアグラが発見されています。
ボトル側面のラベルが正規品のパッケージ(外箱)を模して精巧に作られていることがあるので、注意しましょう。
シアリスの正規品と偽造品の比較・見分け方
シアリスの国内正規品と偽造品について「錠剤」「包装(PTP包装シート)」「容器・パッケージ(外箱)」の観点から比較し、見分け方を解説します。
シアリスの正規品と偽造品の比較
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シアリスの錠剤を比較
販売名 | シアリス錠5mg | シアリス錠10mg | シアリス錠20mg |
---|---|---|---|
識別コード | C 5 | C 10 | C 20 |
色調など | くすんだ黄色/フィルムコート錠 | くすんだ黄色/フィルムコート錠 | くすんだ黄色/フィルムコート錠 |
日本国内では、「シアリス錠5mg」「シアリス錠10mg錠」「シアリス錠20mg」の3種類の規格が、厚生労働省より承認され処方されています。
もし、「シアリス錠40mg」「シアリス錠50mg」「シアリス錠100mg」などという規格が存在していた場合は、偽物・偽造品です。
※海外で正規品として販売されている用量には、「シアリス錠2.5mg」という規格も存在しますが、日本は未承認なので、発売されていません。
剤型や錠剤のサイズが同じでも、識別コードの刻印が荒く、着色ムラ(色が薄い、または濃い)のある偽造シアリスが発見されています。
また、不純物が混入していることもあります。
正規品と比較しなければ、一見して偽造品と見分けるのが難しい場合があります。
剤型や錠剤のサイズが同じでも、存在しない識別コード「20」と刻印されていたり、着色ムラ(色が薄い、または濃い)のある偽造シアリスが発見されています。
肉眼で確認できるほど剤型がいびつだったり、フィルムコーティング加工されておらず光沢がない場合があります。
識別コードは、「C 5、C 10、C 20(用量による)」以外に存在しないので、間違いなく偽造品です。
剤型は同じでも、存在しない識別コード「C 50」「C 100」と刻印されていたり、錠剤のサイズが大きい偽造シアリスが発見されています。
シアリス錠50mgやシアリス錠100mgという規格は存在しないので、間違いなく偽造品です。
シアリスの包装(PTP包装シート)を比較
国内正規品のシアリスの錠剤はPTP包装シートで梱包されています。
PTP包装シート自体は、用量ごとに色分けされたデザインになっています。
錠剤が見える表側には、「cialis」「シアリス 5、シアリス 10、シアリス 20(用量による)」「5、10、20(用量による)」といった印字がされています。
裏側には、日本語で「ニトログリセリンなどの硝酸薬と本剤は併用できません。」といった注意書きがあります。
ただし、バイアグラと違ってシアリスのPTP包装シートには、使用期限は記載されていません。
一見すると、正規品と間違えるほど精巧に作られたPTP包装シートに入った偽造シアリスが発見されています。
勿論、中身の錠剤も偽造品です。
正規品のシアリスのPTP包装シートと見比べなければ偽物と見破ることが難しい場合があります。
ジッパー付きの小さなポリ袋に錠剤が剥き出しのまま入れられた偽造シアリスが発見されています。
正規品のシアリスがジッパー付きのポリ袋に入れられることはありません。
PTP包装シートに入っていないシアリスの錠剤は、間違いなく偽造品です。
バイアグラ同様、海外の税関などでは、違法に偽造シアリスを密輸しようとして密輸業者が逮捕されるといった事例がいくつもあります。
その際、ポリ袋やビニール袋に入れられた大量の偽造シアリスが発見されています。
正規品のシアリスの錠剤は、1つの袋に乱雑にまとめられて出荷や販売されることはありません。
シアリスの容器・パッケージ(外箱)を比較
日本新薬株式会社のロゴマークや勃起不全治療薬としての販売名「シアリス錠5mg、シアリス錠10mg、シアリス錠20mg(用量による)」、製造販売元「日本新薬株式会社」、用量などが記載されています。
パッケージ(外箱)には、偽造防止のためのホログラムシールが貼られています。
開封口には、切り取り線やシールがついており、一度開けると完全に封印出来ない仕組みになっています。
また、側面には「○○○○.□□」(○○○○は年、□□は月)のような形式で使用期限が記載されています。
パッケージ(使途箱)の色が正規品と微妙に異なる偽造シアリスが発見されています。
正規品と比較するとすぐにわかりますが、偽造品だけを見て判断するのは至難の業です。
一見すると、海外正規品のパッケージ(外箱)と同じように見えますが、用量が「40mg」と印字されたパッケージ(外箱)の偽造シアリスが発見されています。
正規品のシアリスは、国内も海外も「シアリス錠20mg」の規格までしか存在しないので、間違いなく偽造品です。
パッケージ(外箱)のデザインが正規品を精巧に模していたり、ホログラムのシールを貼っていることもあるので、注意が必要です。
明らかに海外正規品のボトル容器とデザインが異なる偽造シアリスが何種類も発見されています。
用量も存在しない規格の「100mg」と印字されている場合もあります。
正規品のシアリスは、国内も海外も「シアリス錠20mg」の規格までしか存在しないので、間違いなく偽造品です。
ED治療薬の偽物・偽造品の製造現場
製薬の製造現場と聞くと、衛生的なクリーンルームの中で整然と作られるイメージを抱くかもしれません。
しかし、多くの偽造品製造現場は不衛生な環境で、ずさんな手作業で作られる錠剤には不純物が混入し、正規の有効成分が含まれているかすら疑わしく、品質管理にも問題があります。
偽造品によっては、ED治療薬としての効果が期待できないだけではなく、異なる成分や不純物の混入などにより、予想できない深刻な健康被害の恐れがあります。
偽物・偽造品の製造現場
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偽造バイアグラの製造現場
この画像は、偽造バイアグラ製造現場の一例で、中国で撮影された写真です。
偽造バイアグラは、世界中で製造されています。
海外の調査では、偽造バイアグラに医薬品成分以外の不純物が含まれていたり、全く異なる医薬品成分や覚せい剤が含まれていたこともあります。
偽造バイアグラの錠剤は、品質管理されていない場所(アパートの一室など)でボトルに詰められて作られていることがあります。
プリンター用の青いインクをバケツで混ぜて、正規品に似せていることもあります。
本物のバイアグラを製造・販売しているファイザー株式会社の本社は米国にありますが、たとえ米国の住所から送られてきたとしても本物のバイアグラとは言い切れません。
偽造レビトラの製造現場
偽造レビトラの錠剤もバイアグラの偽造品製造現場と同じく、画像のような不衛生な環境で作られています。
こういった環境で製造された錠剤は不純物が混入する可能性が大変高く、品質管理も全くされていません。
錠剤は、PTP包装シートではなくビニール袋やポリ袋に錠剤が剥き出しのままバラで適当に入れられていることがあります。
本物のレビトラを製造・販売しているバイエル株式会社の本社はドイツにありますが、たとえドイツの住所から送られてきたとしても本物のレビトラとは言い切れません。
偽造シアリスの製造現場
偽造シアリスの錠剤も偽造品の製造現場は、ずさんなものです。
不衛生で、流通経路での品質管理もされていません。
写真は中国で撮影されたものですが、この偽造シアリス製造現場では、メチルアンフェタミンと呼ばれる覚せい剤も密造されており、それが混入する可能性もありました。
本物のシアリスを製造・販売しているイーライリリー株式会社の本社は米国にありますが、たとえ米国の住所から送られてきたとしても本物のシアリスとは言い切れません。
ED治療薬の偽物・偽造品による副作用や健康被害
もし、ネット上の個人輸入で購入したED治療薬の偽造品を服用して、効果が出なかっただけで済んだのなら、それは単なる幸運でしかありません。
偽造品には、重篤な健康被害をもたらす可能性のある有害成分が含まれていることがあります。
日本国内や海外では、「偽造バイアグラ」「偽造レビトラ」「偽造シアリス」といった違法な製品によって、死亡例を含む重篤な健康被害が確認されています。
偽造品は劣悪な環境で製造されているため、品質の保証は全くされていません。
錠剤の中には、有効成分が全く入っていなかったり、有効成分に類似した成分が入っていることがあります。
他にも、本来含まれるはずのない不純物が含まれていることもあり、それらが原因で様々な副作用を引き起こすことがあります。
勿論、ED治療薬の本来の効果である、勃起改善効果は期待できません。
また、日本国内で厚生労働省の製造販売承認を得た医薬品ではないため、副作用によって重篤な健康被害が発生しても医薬品副作用被害救済制度は適用されません。
医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品の副作用により患者が入院や死亡した際などに、厚生労働省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」という組織が健康被害に対して救済を行う制度のことです。
ED治療薬の偽造品は、勃起改善効果が期待できないだけでなく、重篤な健康被害のリスクが高いということを覚えておきましょう。
ED治療薬の偽物・偽造品による副作用や健康被害の事例
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偽造バイアグラによる副作用や健康被害の事例
偽造レビトラによる副作用や健康被害の事例
偽造シアリスによる副作用や健康被害の事例
ED治療薬の偽物・偽造品を海外から日本国内へ持ち込んではいけない
通常、個人的に自分で使用するための医薬品や化粧品を海外から携行して持ち込む場合は、地方厚生局に必要書類を提出して、営業のための輸入でないことの証明「輸入確認証 」を取得すれば問題ありません。
しかし、ED治療薬に限らず、医薬品の偽物・偽造品は海外から日本国内へ持ち込んではいけません。
どのような理由があっても、「偽造バイアグラ」「偽造レビトラ」「偽造シアリス」などを海外から持ち込むと、知的財産権の侵害行為に該当してしまいます。
そのため、日本国内への持ち込みが禁止されおり、もし海外から持ち帰ったことが発見されれば、処罰の対象となります。
海外から持ち込むような不正規ルート(日本国内の病院やクリニックの処方以外)で入手したED治療薬は、偽物・偽造品である可能性が非常に高くなります。
また、偽造ED治療薬を服用した場合は、重篤な健康被害が予想されます。
「海外の薬局で買ったから」「自分だけは大丈夫」などと思わずに、そういったものはそもそも海外に行った際は、購入しないことが大切です。
健康食品(強壮剤)にED治療薬の有効成分や類似成分が含まれていることがある
バイアグラの有効成分「シルデナフィル」やレビトラの有効成分「バルデナフィル」、シアリスの有効成分「タダラフィル」が許可なく混入された、強壮効果を謳う健康食品が日本国内や世界中で発見されています。
勿論、これらの健康食品(強壮剤)は無承認無許可医薬品に該当し、明らかに違法な製品です。
例えば、2017年に米国では、ED治療薬に含まれる有効成分の類似成分が含まれたインスタントコーヒーがFDA(アメリカ食品医薬品局)によって発見され、回収騒ぎになるという事件が起きています。
当時、Bestherbs Coffee社が製造販売していた、「Kopi Jantan Tradisional Natural Herbs Coffee」というインスタントコーヒー製品が問題になりました。
店舗販売だけでなく、ネット販売もされていたそうです。
FDAが成分を分析したところ、ED治療薬バイアグラの有効成分「シルデナフィル」に類似した「デスメチルカルボデナフィル」という物質が検出されました。
日本国内でも、厚生労働省が強壮効果などを謳う健康食品の買い上げ調査を度々行って、医薬品成分が検出されないか検査しています。
毎年のように承認の得られていない薬機法に違反した健康食品(強壮剤)が発見されています。
その際の成分の分析時には、米国の例と同様にシルデナフィルの類似成分「ジメチルジチオノルカルボデナフィル」「チオアイルデナフィル」やバルデナフィルの類似成分「プソイドバルデナフィル」などの物質が検出されています。
安全性が確認されていないこういった健康食品(強壮剤)は重篤な健康被害を引き起こす可能性があるので、使用しないようにしましょう。
また、強壮効果を謳う健康食品が海外で販売されていたり、輸入されて日本国内で販売されている場合には、手を出さないように十分に気をつけましょう。
国内正規品ED治療薬は通販や薬局では購入できない
国内正規品ED治療薬は、通販や薬局で購入することはできません。
必ず、病院やクリニックなどの医療機関で処方して貰わなければ、手に入れることはできません。
もし、国内正規品ED治療薬がネット上の通販サイトで販売されていた場合は、明確な薬機法違反です。
偽物・偽造品の可能性もあるので、絶対に購入しないように気をつけましょう。
個人輸入代行サイトの利用に注意
ネット上の個人輸入代行サイト(通販サイト)で購入できるED治療薬は、国内正規品ED治療薬ではありません。
多くは、世界中の製薬会社で製造されたジェネリック医薬品です。
厚生労働省も公式ホームページ内にて以下のように注意喚起しています。
医薬品等の個人輸入は健康被害などの危険性があります
海外から個人輸入代行サイトを通じて購入できるED治療薬が全て偽造ED治療薬というわけではありません。
しかし、健康上のリスクを孕む、厚労省未認可のED治療薬には、手を出さないようにしたほうが良いでしょう。
国内正規品ED治療薬の処方は当クリニックへ
EDは、疾患の性質上「恥ずかしい」「どのような診察をされるかわからない」といった理由から、病院やクリニックなどの医療機関を避け、ネット上でED治療薬を購入する方が多々います。
誰にも知られず、手軽に安く購入できるので、ついつい通販サイトを利用してしまう気持ちはわかります。
しかし、偽造品を購入してしまい、服用した結果、死に至る副作用を引き起こすリスクがあるということを忘れてはいけません。
また、ED治療薬の正規品と偽造品は、専門家でない限り見分けるのが困難な場合があります。
「日本のサイト(日本語のサイト)だから自分は大丈夫だろう」と思わず、ネット上で購入しないことが大切です。
本来、日本国内では、バイアグラなどのED治療薬は、医師の処方が必要な「処方箋医薬品」です。
患者の健康状態を確認した上で、ED治療薬を処方するかどうか判断しています。
当クリニックでは、国内正規品のED治療薬「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」「バイアグラジェネリック」「レビトラジェネリック」「シアリスジェネリック」を取り扱っています。
ED治療薬の処方をお望みの方は、当クリニックへ来院していただければ幸いです。
EDに関する相談だけでも受け付けておりますので、どうぞお気軽にご来院ください。