心因性EDの特徴・原因・治し方

心因性EDの特徴・原因・治し方

この記事の監修者

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新橋ファーストクリニック 院長

市村 明

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心因性EDの特徴

ストレスを抱えてる男性

心因性EDとは、日常生活の中で生じるストレスや緊張、プレッシャーなどが原因のED(勃起不全)です。

身体的に勃起機能が衰える器質性EDでは50代以降に発症が増加しますが、心因性EDは20代〜30代の若年層でも多く見られます。
場合によっては10代から発症するケースもあるため、若くしてEDを発症している場合は心因性EDが疑われるでしょう。

身体的機能としては正常のため、朝立ちや自慰行為(マスターベーション)は問題なく行えるのが心因性EDの特徴といえます。
また、心因性EDには「現実心因性ED」と「深層心因性ED」の2種類に分けられます。

以下では、現実心因性EDと深層心因性EDのそれぞれの原因について解説します。

現実心因性EDの原因

現実心因性EDとは、日常生活の中で受ける不安やストレス、プレッシャーなどが原因となり発症するEDのことです。

現実心因性EDの原因

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それぞれの原因について詳しく解説します。

過労や睡眠不足によるストレス

寝不足の男性

現実心因性EDは、過労や睡眠不足などによるストレスが原因で生じるケースがあります。

疲労の蓄積はストレスの増加に直結し、精神状態を不安定にする結果、心因性EDを引き起こすという原理です。
特に20代後半〜30代にかけては、仕事の責任や人間関係のプレッシャーが大きくなる傾向にあります。
これらのストレスが引き金となり、心因性EDを引き起こすケースが考えられるでしょう。

また、経済的な不安も心因性EDにつながるストレスの原因となります。
経済面にかかわらず心配事など心に引っかかりがあるとストレスが増え、勃起に関わる機能に影響を与えます。

パートナーや夫婦関係の悪化

喧嘩中のカップル

パートナーとの不仲が原因で、心因性EDを発症するパターンもあります。
けんかなどで関係が悪化した状態は大きなストレスとなるため、EDを引き起こしやすいでしょう。

また、マンネリ化も現実心因性EDの原因となり得ます。
性行為に変化をもたせたり、性行為時のコミュニケーションを心がけたりするなど、コミュニケーション面での工夫が必要です。

性行為に対する不安やプレッシャー

プレッシャーを感じる男性

性行為に慣れていない場合、「うまくできるだろうか」と不安やプレッシャーを感じて発症するケースもあります。
年齢が若く、性に関する知識が少ないことで不安が増幅し、EDにつながるパターンです。

また、不安症の場合はパニック発作に陥るケースもあり、心因性EDを加速させる原因となるでしょう。

うつ病による性欲の減退

うつ病の男性

うつ病が引き金となり、心因性EDを発症するケースもあります。
うつ病は物事に対する意欲を低下させ、ホルモンバランスにも影響を与えます。
結果として、性欲減退により勃起力が衰えてEDとなります。

また、抗うつ剤によってもEDを発症するケースがありますが、これは薬剤性EDと呼ばれます。
うつ病で性欲が減退してEDの傾向が見られる場合は、心因性EDと薬剤性EDの両方を疑いましょう。

身体的なコンプレックス

股間を押さえる男性

身体的なコンプレックスは精神的なストレスにつながり、心因性EDを発症する恐れがあります。
特に陰茎(ペニス)が短小であることにコンプレックスを感じるケースが多いです。
性行為の際に「変なふうに思われていないか」と気にしてしまい、性行為に集中できず勃起できなくなるケースです。

このように、自分の身体に自信がないと感じている場合は、EDを発症するリスクが高くなるといえます。

子作りや妊娠に対するプレッシャー

妊婦さん

子作りや妊娠を意識した途端、勃起力が衰えるケースもあります。

子作りは人生において大きな選択の一つのため、精神的なプレッシャーや恐怖心を抱く結果、EDに至る方が多いです。
パートナーとの間で密にコミュニケーションを取り、不安を解消する必要があるでしょう。

過去の性行為に関するトラウマ

仲の悪いカップル

過去の性行為における失敗経験がある場合、そのトラウマが原因で勃起しにくくなるケースがあります。

一度失敗すると「次もうまくいかなかったら…」とネガティブに考えてしまい、不安やストレスを感じる方は少なくありません。
一度でも成功体験を積めば自信につながり、EDを克服できる可能性があります。

深層心因性EDの原因

深層心因性EDとは、無意識的に抱えるトラウマやコンプレックスといった心の問題がストレスとなり引き起こされるEDのことです。

深層心因性EDの原因を細かく分けると、以下のように分類できます。

深層心因性EDの原因

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それぞれの原因について詳しく解説します。

幼少期における心的外傷体験

トラウマを抱えた子供

幼い頃に虐待などの出来事から精神的に大きなダメージを受けた場合、深層心因性EDを発症するリスクが高まります。

幼少期に受けた心の傷は、場合によって一生心の中に残り続けるため、それが潜在的なトラウマやストレスとなる可能性があります。

LGBTQなどの性的マイノリティ

ゲイカップル

LGBTQとは、レズビアンやゲイといった性的指向の頭文字を取った用語です。

LGBTQのような性的マイノリティの方は、恋愛に対する不自由さや世間での窮屈さを抱えているケースが多いです。
周囲に対して性的マイノリティであることを公にできる方は少なく、結果として潜在的なストレスが蓄積しやすいといえます。
「自分は普通ではない」という劣等感や自己肯定感の低下が、深層心因性EDを招くでしょう。

エディプス・コンプレックス

親子

エディプス・コンプレックスとは、同性の親に対する敵対心とともに異性の親に対して性的な感情を抱くことです。
一般的には3歳〜6歳頃からエディプス・コンプレックスを感じる傾向があります。

ほとんどの場合、6歳頃までに同性の親に対する敵対心をうまく処理しているはずです。
しかし、エディプス・コンプレックスを解消できないまま大人になると、不安やストレスを感じる原因となり、結果として心因性EDの発症につながる可能性があります。

なお、エディプス・コンプレックスがあるからといってEDが絶対的に発症するとは限りません。
あくまで可能性の一つとして理解しておきましょう。

現実心因性EDになりやすい方の性格

不安やストレスの感じやすさは、人それぞれ異なります。
つまり、現実心因性EDになりやすい方と、そうでない方が存在するということです。

現実心因性EDになりやすい方

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以下では、現実心因性EDになりやすい方の性格について紹介します。
当てはまっていないかどうか、チェックをしながら読み進めてください。

神経質な方

神経質で細かいことが気になる方は、優しい傾向があるというメリットがある一方で、心因性EDを発症しやすい性格ともいえます。
完璧主義の傾向がある方も、ここで言う神経質な方に含まれます。

真面目な性格ゆえに、うつ病などの精神疾患になりやすく、うつ病によってさらに心因性EDが悪化するという悪循環に陥りやすいのが特徴です。

プライドが高い方

プライドが高い方は性行為でプレッシャーを感じやすいため、心因性EDを発症しやすいといえます。
「相手をがっかりさせたくない」「男らしいところを見せたい」と思えば思うほどストレスやプレッシャーが増幅し、かえってEDを悪化させてしまう可能性があります。

プライドが高い自覚がある方は、肩の力を抜きつつパートナーとの性行為を楽しむことを目標とすると、ED改善の兆しが見えてくるかもしれません。

ネガティブ気質な方

物事をネガティブに捉えやすい方は、心因性EDのリスクが高いといえるでしょう。
「失敗したらどうしよう」と性行為に対する喜びよりも不安や恐怖を強く感じてしまい、結果として勃起しにくくなるケースです。

性行為がうまくいくかどうかは、その日のコンディションによっても左右されます。
「うまくいかない日もあって当然」と心に余裕をもち、できるだけポジティブな捉え方を心掛けてみましょう。

心因性EDの治し方

心因性EDの治療は、ストレスやプレッシャーを生み出している根本原因を解消することが基本です。
以下では、心因性EDはどうすれば治るのか詳しく解説します。

心因性EDの治療に向けた7つの取り組み

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ED治療薬を服用する

ED治療薬

心因性EDは、性行為に対する自信のなさやプレッシャーが原因として発症するEDです。
そこで、ED治療薬を服用して性行為の成功体験を積めば、自分に自信をつけることができます。

一度でも成功体験を積めば、以降の性行為の際も精神的にリラックスでき、心因性EDの克服が期待できます。

このように、ED治療薬は心因性EDを治療するきっかけ作りとして非常に有効な方法です。
当クリニックでは、心因性EDの治療に用いられるED治療薬を用意していますので、気軽に医師までご相談ください。

十分な睡眠を取る

寝る男性

十分な睡眠を取ることは、ストレス解消に有効な手段の一つです。

睡眠は量だけでなく、質も高めることが重要です。
睡眠時間の目安としては、最低6時間は確保するようにすると、疲労やストレスの解消につながるでしょう。

また、寝付きが悪いなど睡眠の質に問題がある場合は、枕を変えたり枕元にリラックス効果のある香りを付けたりするなどがおすすめです。

ストレス解消の方法は人それぞれなので、リラックスにつながりそうなことは積極的に取り組んでみてください。

パートナーとの信頼関係を強化する

仲のいいカップル

パートナーとの信頼関係の良し悪しは、勃起力に直結します。
したがって、パートナーとは日頃からコミュニケーションを密に取り、信頼関係を築いておきましょう。

信頼関係があれば、EDの悩みをパートナーに打ち明けることで心の引っ掛かりを緩和することも期待できます。

また、身体的なコンプレックスや子作り、妊娠などに対するプレッシャーに関しても、隠さずに気持ちを共有することで安心感につながるでしょう。
性行為の際は、前戯で性的興奮を高めつつ、お互いの感情を確認し合いながら行うことで、信頼関係の強化につながります。

ストレスマネジメントを行う

考える男性

ストレスマネジメントとは、ストレスとの上手な付き合い方を考え、適切な対処法をしていくことです。
日頃のストレスが原因であれば、ストレスを生み出している根本原因を洗い出し、それを解消する方法を模索するのが先決です。

例えば、職場で大きなストレスを感じるなら、仕事の中のどういった要因がストレスになっているか思い返してみましょう。
経済面や人間関係面など、より具体的に原因をあぶり出すことで、解決策が見えてくるかもしれません。
ストレス源がなくなれば自然と心因性EDも良くなることが期待できるため、ぜひ試してみてください。

自己肯定感を高める

リフレッシュする男性

自己肯定感が低いと、身体的なコンプレックスなどにより自信をなくし、結果として心因性EDにつながりやすいです。
そこで、自己肯定感を高める取り組みにより、心因性EDを改善できる可能性があります。

そもそも、自己肯定感は「ありのままの自分でいい」と自分自身を心から認めることです。
身体的なコンプレックスがあっても、パートナーとその悩みを共有したり、心のつながりを優先したりすることで、自己肯定感は自然と高まるはずです。

また、LGBTQなど性的マイノリティの方も劣等感を抱きやすく、自己肯定感が低くなっている可能性があります。
自己肯定感を高めれば劣等感も減るため、心因性EDの改善につながることが期待できるでしょう。

心理療法を受ける

医者に相談する男性

精神的なストレスに対しては、カウンセリングをはじめとした心理療法を受けるのも有効です。

誰にも言えない日頃の悩みや不安を打ち明けるだけでもメンタル状態は安定し、心因性EDの改善につながる可能性があります。
特に深層心因性EDは幼少期からの精神的ダメージが関連する根深い問題のため、カウンセリングが有効となるケースは多いでしょう。

※当クリニックでは、「心理カウンセリング」による精神療法を行っていません

薬剤性EDの可能性もありうる

心因性は30代以下で発症しやすいEDですが、若年層でも発症しやすいEDとしては薬剤性EDも可能性として存在します。

薬剤性EDは、特定の薬剤の服用によって引き起こされるEDです。
服用している薬剤の副作用として勃起力を低下させる働きなどが含まれる場合、薬剤性EDの可能性が高まります。

薬剤が原因のEDは、どの世代でも発症する可能性があります。
特にうつ病の治療薬は、勃起をコントロールする神経の働きに影響を与える可能性が高いため、注意が必要です。

現在、薬剤を服用しているED患者は、薬剤性EDの可能性を疑ってみましょう。
疑問などが生じた際は、気軽に医師へ相談してみてください。

参考URL

ED治療のよくある質問(FAQ)

ED治療薬に副作用はありますか?

ED治療薬によって細かい副作用は異なりますが、一時的な顔のほてり、頭痛、鼻づまりなどが見受けられる場合があります。

様々な薬を飲んでいますが、ED治療薬は飲めますか?

ニトログリセリン(心臓の狭心症に用いる薬)との併用はできません。
服用中の薬によってはED治療薬の処方ができません。
服用中の薬やお薬手帳を持参して医師にご相談ください。

バイアグラ、レビトラ、シアリスの違いはなんですか?

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