バイアグラの飲み方ガイド|飲むタイミングのコツ・注意点

バイアグラの飲み方・用法・用量

バイアグラを処方されたものの、正しい飲み方を忘れてしまった方もいるでしょう。
推奨されない方法で服用すると、バイアグラ本来の勃起力向上効果が得られなくなる可能性があります。

今回は、バイアグラの用法・用量や飲むタイミングのコツなどの注意点を併せて紹介しています。

バイアグラの正しい飲み方がわからないときの参考にしてください。

この記事の監修者

noimg

新橋ファーストクリニック 院長

市村 明

※リンクをクリック、またはタップすると、ページ内の項目へ移動します

バイアグラの飲み方(服用方法)

バイアグラを服用する男性

バイアグラには、正しい飲み方(服用方法)や決められた用法・用量があります。
それらを守って服用することで、バイアグラの勃起促進効果をしっかりと引き出すことができます。

反対に、誤った方法で服用してしまうと効果が得られにくかったり、正しく得られなかったりすることがあります。
バイアグラの飲み方を正しく理解し、用法・用量を守って服用すれば、EDの改善はもちろん、性行為に対する満足度が上昇し、より性生活を充実させられます。

バイアグラは、以下の用法・用量を守って服用しましょう。

用法・用量

1回の用量25mg~50mgまで
用量の目安25mg:高齢者の方(65歳以上の方)や健康状態が万全でない方など
50mg:健康成人男性
服用のタイミング性行為の約1時間前(空腹時は約30分前)
服用時の飲料水、またはぬるま湯で服用
1回の服用回数1日1回まで
服用間隔24時間以上の間隔を空ける
服用時の条件 空腹時に服用
食後に服用する場合は、約2時間以上の間隔を空ける
服用後、約30分以上経過すれば食事可能

※リンクをクリック、またはタップすると、ページ内の項目へ移動します

以下で詳しく解説します。

1回の服用は50mgまで

日本国内では、安全性の観点から「バイアグラ錠25mg」「バイアグラ錠50mg」の2種類が適度な効果を発揮する推奨規格として、厚生労働省から承認されています。
そのため、健康な成人男性であれば、1回あたりのバイアグラの用量は50mgが上限です。

肝臓や腎臓などに障害のある方でなければ、バイアグラ錠50mgを服用開始用量として推奨できます。

ほかにも、「バイアグラ錠100mg」は世界的に認められていますが、国内正規品(国内で承認された薬)としては認可されていません。
バイアグラ錠50mgで十分な勃起促進効果が確認されたため、日本国内におけるバイアグラ錠の最大用量は50mgまでになりました。

バイアグラの過度な服用は、効き目が強くなるどころか、急激な血圧の低下などの副作用のリスクが高まるだけです。
過度な服用で副作用が強く起きた場合は、バイアグラに対して特異的な解毒薬や治療方法がないため、対症療法を行うしかありません。

以上の理由から、バイアグラは50mgを超えて服用しないように注意しましょう。

高齢者の方や特定の疾患がある方は25mgから慎重に服用する

高齢者の方(65歳以上の方)や肝臓・腎臓に障害がある方などは、バイアグラ錠25mgから慎重に服用を開始しましょう。

若年者の方や内臓機能が健康な方に比べて、有効成分シルデナフィルの分解・代謝が遅れて血中濃度が高くなりやすく、効き目が強く現れる傾向があるからです。

効き目が不十分、あるいは効果を実感できなかった場合のみ、バイアグラ錠50mgへの増量を医師に相談して検討しましょう。

服用回数は1日1回まで、24時間以上の間隔を空ける

用量に関わらず、バイアグラの服用回数は1日1回までを厳守してください。

バイアグラを2日以上連続して服用する場合も、最低でも24時間以上の間隔を空けなければいけません。
血中に吸収された有効成分シルデナフィルが体外へと排出されるのは、服用から約24時間後だからです。

24時間以内に2回以上連続して服用した場合は、シルデナフィルの過剰摂取状態になります。
バイアグラの効き目は、服用から約5時間以上経過する頃にはなくなりますが、一定量のシルデナフィルは血中に残っているため、24時間以内に連続服用すると血中濃度が高くなりすぎてしまいます。

適正用量の服用を1日1回とし、24時間以上の間隔を空けて服用することを守れば、バイアグラを毎日使用することが可能です。
実際にバイアグラを1日1回、7日間連続して成人男性に投与した臨床試験では、シルデナフィルが血中に蓄積しなかったことが確認されています。

水、またはぬるま湯で服用する

バイアグラは水、またはぬるま湯で服用しましょう。

バイアグラの添付文書や医薬品インタビューフォームには、「水、またはぬるま湯で服用するべき」といった記載はありません。
しかし、バイアグラは食事の内容によっては、効果が弱まりやすい傾向が確認されているため、水以外の成分が含まれている飲み物での服用は控えるべきでしょう。

ちなみに、バイアグラには、舌の上で溶かして服用するフィルムタイプの「バイアグラODフィルム」があります。
水がなくても服用できるのが特徴ですが、口の粘膜から成分を吸収し効果を発揮する薬剤ではないので、口の中でフィルムが溶けたら唾液と共に飲み込む必要があります。
口の中が乾いている場合は、水で流し込んだ方が飲みやすいので、バイアグラODフィルムは好き嫌いが分かれるかもしれません。

当クリニックでは、バイアグラODフィルムを取り扱っていませんが、好みやライフスタイルに合わせて使い分けても良いでしょう。

バイアグラの飲み方|効果を実感しやすい服用タイミング

性行為中のカップル

ここまでバイアグラの飲み方として、基本的な用法・用量を解説しました。
しかし、バイアグラを飲んでも期待する勃起力向上の効果が得られない場合は、服用のタイミングを間違えているからかもしれません。

バイアグラは以下のように、効果を実感しやすい服用タイミングが明らかにされています。

バイアグラの効果を実感しやすい服用タイミング

※リンクをクリック、またはタップすると、ページ内の項目へ移動します

バイアグラを飲んでも勃起力が足りないと感じる方は、以下を参考にしながら服用タイミングをチェックしてみてください。

バイアグラを飲むタイミングは性行為の約1時間前が目安

バイアグラが効き始める時間のグラフ

性行為の約1時間前にバイアグラを服用することで、効き目が最も強く現れるピーク時に性行為ができます。

バイアグラの効果は、有効成分シルデナフィルの血中濃度が一定の水準を超えることで発現します。
シルデナフィルが体内に吸収されるのは、服用から約30分~1時間のタイミングです。
つまり、バイアグラは、服用から約30分~1時間で効果が発現し始めることになります。

なお、バイアグラの用量によって効き始める時間に違いはさほどありません。

ただし、バイアグラの服用前に食事をしていたなどの場合は、効き始める時間や効き目自体に影響を及ぼすので注意しましょう。

空腹時に飲むなら性行為の30分前で問題ない場合も

空腹時にバイアグラを服用すれば、早ければ服用から約30分で効果を実感できます。

バイアグラの有効成分シルデナフィルは、空腹時に吸収効率が最も良くなります。
胃や腸に食べ物が残っていると、消化器官の表面に油などの膜が張られ、シルデナフィルの吸収を妨げてしまうことがあるのです。

一方で、空腹時は消化器官に膜ができにくいため、バイアグラが速やかに吸収される傾向があります。

結果として、性行為の約30分前にバイアグラを服用しても、十分な効き目が現れることがあります。

服用してから約4時間〜5時間後には効果が薄れる

バイアグラが効き始める時間のグラフ

バイアグラの効果を実感するには、持続時間を覚えておきましょう。
バイアグラのインタビューフォームによると、服用してから約4時間〜5時間後には血中バイアグラ濃度が大幅に低下することが読み取れます。

血中バイアグラ濃度が低下すると、勃起力向上効果も低減します。
効果持続時間はED治療薬の種類によって大きく異なり、中でもバイアグラは持続時間が比較的短いです。

バイアグラを服用してから時間が空きすぎないようにすることで、勃起力の向上を実感できるでしょう。

バイアグラの飲み方|食前・食後のタイミング

バイアグラの服用タイミングについて説明する医師

食事の前後にバイアグラを飲む場合は、服用のタイミングに注意が必要です。

食事前後におけるバイアグラの服用タイミング

※リンクをクリック、またはタップすると、ページ内の項目へ移動します

食事の前後に適切な間隔を空けないと、バイアグラの本来の効果が現れにくくなる可能性があるのです。
また、脂肪分を多く含む飲食物の場合は、より長く間隔を空けることが望ましいといった細かい注意点もあります。

以下で詳しく解説します。

食前に服用する場合:30分以上経過してから食事を取る

食前にバイアグラを服用したい場合は、服用から30分以上経過してからにしましょう。 服用から30分以上経過すれば、バイアグラの有効成分であるシルデナフィルのほとんどが血中へと吸収された後になるので、その後の食事では何を食べても問題ありません。

前述のように、空腹時にバイアグラを服用すれば、早ければ服用から約30分で効果が発現する特性をいかせます。

食後に服用する場合:2時間以上の間隔を空ける

食事後のバイアグラの服用が避けられない場合は、バイアグラの効果を正確に得るために、服用の2時間以上前までに食事を済ませておきましょう。

しかし、焼肉や天ぷらなどの油っこい食べ物や牛乳などの脂肪分を多く含む飲み物は、消化吸収が悪く、2時間以上経過しても食べ物が胃に残ることがあるので注意が必要です。
食べ物が胃に滞在する時間は通常約2時間~3時間で、肉料理や天ぷらなど油っこい食べ物は約4時間~5時間かかるといわれています。

体質やライフスタイルによって消化吸収時間には個人差があるので、一概にいえませんが、食事を取ってから約2時間以上はバイアグラの服用を控えるべきでしょう。

バイアグラの飲み方|取り扱い上の注意点とリスク

注意を促す男性

バイアグラの服用において、取り扱いの観点からいくつか注意点があります。

バイアグラを服用する方の命に関わることも記載しているので、しっかりと熟読しましょう。

バイアグラ服用時の主な注意点

※リンクをクリック、またはタップすると、ページ内の項目へ移動します

上記が守られていない場合は、バイアグラ本来の効果が得られなかったり、予期せぬ健康被害が生じたりする恐れがあるので、内容をしっかりと理解しておいてください。

勝手に用法・用量を変えない

医師は、バイアグラを処方する患者の症状や身体状態に合わせて用量を決めています。
そのため、医師に相談なく自己判断で用法や用量を変えてはいけません。

バイアグラの用量を増やし、過剰摂取によって重篤な副作用を招く可能性があります。

用量を変更したい場合は、医師に相談したうえで判断してもらうことが大切です。

PTP包装シートから開封したらすぐ使用する

バイアグラの有効期限は、製造から5年(バイアグラODフィルムは3年)と決められています。
しかし、有効期限はPTP包装シートに錠剤が入った状態を指し、外気に触れずに適切に保管されていることが前提です。

PTP包装シートからバイアグラの錠剤を取り出した場合は、外気に触れることで劣化が始まり、有効期限は未開封時よりも極端に短くなるので、すぐに使用しましょう。

もし、PTP包装シートからいつ取り出したかわからなくなってしまった場合は、服用しないで必ず破棄してください。

割って服用するのは極力避ける

節約のためにバイアグラ錠50mgを半分に割り25mg錠とみなして服用し、残り半分を保管しておく方もいますが、極力避けてください。

医薬品によっては、割って使うことを想定して、錠剤の中心に線(割線)が入っているものがあります。
しかし、「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」などのED治療薬は割って使うことを推奨していないため、割線がありません。

錠剤を半分に割ることで、バイアグラの表面を覆っている添加物のコーティングが切断面で無くなり、湿気を含みやすくなって成分が劣化してしまうのです。

バイアグラの飲み方|併用禁忌薬

バツを示す男性

バイアグラには、一緒のタイミングで飲むことを禁止されている「併用禁忌薬」と呼ばれる医薬品があります。

バイアグラの併用禁忌薬

  • アミオダロン塩酸塩を含む薬剤
  • 硝酸剤(一酸化窒素供与剤)
  • sGC刺激剤

心臓病や高血圧症を患っている方は、上記に該当する医薬品の処方を受けている可能性があるので、必ず医師に相談してください。

バイアグラとの併用でED治療を助ける医薬品の例

前述した併用禁忌薬とは反対に、バイアグラとの併用でED治療を有利に進められる医薬品も存在します。

バイアグラとの併用でED治療を助ける医薬品の例

※リンクをクリック、またはタップすると、ページ内の項目へ移動します

ただし、医薬品の併用の際には予期せぬ健康被害が生じる可能性もあるので、事前に医師に相談することを徹底してください。

それぞれの医薬品がどのようにED治療に役立つのかは、以下で詳しく解説しています。

抗不安薬:20代〜30代に多い心因性EDの改善

EDに悩まされる男性

性行為中に焦ったり、緊張して勃起ができなかったり、勃起状態を保てない方がいらっしゃいます。
そういった心因性EDには、抗不安薬とED治療薬の併用が解決に繋がる場合があります。

精神的・心理的な問題の関与が強い方は、抗不安薬(精神安定剤)を 1錠100円(税込)にて処方いたしますので、お気軽にご相談ください。

当クリニックの処方価格

抗不安薬(精神安定剤)1錠 100円

※価格は消費税込み
※抗不安薬(精神安定剤)のみでの処方は行っておりません

解熱鎮痛薬:副作用の頭痛を軽減

バイアグラを服用することで、副作用の「頭痛」を引き起こす場合があります。
頭痛の痛みを和らげるために、解熱鎮痛薬の併用が可能です。

バイアグラの服用で頭痛の症状が現れる方は、解熱鎮痛薬(カロナール錠)を1錠100円(税込)にて処方いたしますので、お気軽にご相談ください。

当クリニックの処方価格

解熱鎮痛薬(カロナール錠)1錠 100円

※価格は消費税込み
※解熱鎮痛薬のみでの処方は行っておりません

胃腸薬:副作用の腹痛などを軽減

バイアグラを服用することで、副作用の「胸やけ」「消化不良」「腹痛」を引き起こす場合があります。
胃薬によって胃酸の分泌を抑えて、胸やけ・消化不良・腹痛などの症状を和らげることができます。
胃薬もED治療薬と併用が可能です。

バイアグラの服用で胸やけ・消化不良・腹痛の症状が出やすい方は、胃薬(アシノン錠)を1錠100円(税込)にて処方いたしますので、お気軽にご相談ください。

当クリニックの処方価格

胃薬(アシノン錠)1錠 100円

※価格は消費税込み
※胃薬のみでの処方は行っておりません

まとめ|バイアグラの正しい飲み方を守ってED治療に取り組もう

バイアグラの服用において、基本的な用法・用量だけでなく、飲んでから効果が出始めるまでの時間や食事を取るタイミングなど、いくつか注意が必要です。

バイアグラの正しい飲み方を理解していないがゆえに、本来のED治療効果を得られなかったり、思わぬ副作用が生じる原因となったりすることもあるのです。

正しい服用方法がわからなくなってしまったときは、本記事をバイアグラの飲み方ガイドとして活用してみてください。

参考URL

バイアグラの関連ページ

ED治療のよくある質問(FAQ)

ED治療薬に副作用はありますか?

ED治療薬によって細かい副作用は異なりますが、一時的な顔のほてり、頭痛、鼻づまりなどが見受けられる場合があります。

様々な薬を飲んでいますが、ED治療薬は飲めますか?

ニトログリセリン(心臓の狭心症に用いる薬)との併用はできません。
服用中の薬によってはED治療薬の処方ができません。
服用中の薬やお薬手帳を持参して医師にご相談ください。

バイアグラ、レビトラ、シアリスの違いはなんですか?

有効成分、効き始める時間、効果持続時間(作用時間)、副作用、価格などに違いがあります。
詳しくは、こちらをご覧ください。

診療・お問い合わせ