陰茎に直接塗るタイプのED治療薬「エロクソン(eroxon)」がイギリスや日本国内で話題になっています。
エロクソンは、ジェル状の薬液を陰茎に塗ると最短約5分で勃起促進効果が期待できるという全く新しいタイプのED治療薬です。
今回は、エロクソンが一体どういったED治療薬なのか詳しく解説します。
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エロクソン(eroxon)とは?~イギリス生まれの超新星~
エロクソン(eroxon)は、イギリスのイングランド(ギルフォード)に本社を構える製薬会社、Futura Medical plc.(フューチュラメディカル社)が開発したED治療薬です。
治験時の薬剤名で、「MED3000」と呼ばれることもあります。
「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」などのED治療薬は、飲み薬(経口内服薬)ですが、エロクソンはジェルタイプの外用薬(塗布薬)になります。
ただ、イギリスで2019年6月に最終治験は終了しているもの、現段階では承認・販売までには至っていません。
イギリスを含む欧州では、処方箋の要らない市販薬としての販売まで「あと一歩」のところまで来ているようです。
勿論、国内未承認薬のため、日本国内でも販売はされていません。
日本国内では、現在までに承認に向けた治験を行っているという情報はなく、残念ながら当面の間、承認・販売されることはなさそうです。
当然ながら、当クリニックでもエロクソンは取り扱っておりませんので、予めご了承ください。
有効成分は「ニトログリセリン」
エロクソンに含まれる有効成分は「ニトログリセリン」です。
ニトログリセリンは、血管拡張作用があり、狭心症などの心臓病治療薬によく含まれている成分です。
狭心症とは、心臓に血液を送る冠動脈の狭窄によって心筋に供給される酸素が不足するため、胸部に一時的な痛みや圧迫感が生じる病気です。
ニトログリセリンを体内に取り込むと、細胞内で「一酸化窒素」が発生します。
その結果、「カルシウムイオン」が減り、血管が緩みます。
血管が緩むと、血管の内径が広がるので血液が流れやすくなり、酸素や栄養などがすべての細胞に行き渡るようになります。
そのため、狭心症の方がニトログリセリンを飲めば、心筋に血液が行き渡り、酸素欠乏が解消されます。
エロクソンにニトログリセリンが用いられているのも、同様に血管を広げる目的があるからです。
血管を広げれば血液が集まりやすくなります。
勃起は、陰茎内の海綿体に大量の血液が送られ、溜まることで起こります。
狭心症を治療するニトログリセリンが心臓の血管を広げるように、エロクソンのニトログリセリンは、陰茎の血管を広げてくれるわけです。
エロクソンの使い方~陰茎先端部分の亀頭に塗るだけ~
エロクソンは、ジェルタイプの外用薬を陰茎先端部分の亀頭に適量塗布するだけなので、とっても簡単に使えます。
ジェルはチューブタイプの容器に入っており、使用する用量を細かく調整することができます。
余った分は、保存しておけるので、経済的に使用することができるでしょう。
将来的には、ジェルタイプだけでなく、スプレータイプやクリームタイプ、フォームタイプなどの外用薬も販売されるかもしれません。
また、従来のバイアグラなどの経口内服型のED治療薬は、食事やアルコール(飲酒)の影響を受けがちでした。
しかし、エロクソンは塗り薬のため、食事や飲酒を気にせず使用できるようになると期待されています。
エロクソンの効果~最短約5分で勃起効果が期待できる~
エロクソンの有効成分ニトログリセリンの特徴は、効果が早く現れるということです。
例えば、狭心症の方が心臓の発作によって胸痛が起き、ニトログリセリンの錠剤を舌の下に入れた場合、約1分~2分で症状が和らぎます。
ニトログリセリンは、体内への浸透性が高い成分なのです。
そのため、エロクソンは、約5分~10分以内に勃起促進効果が期待できると言われています。
陰茎に塗って最短約5分で勃起が期待できるのは、エロクソンの有効成分がニトログリセリンだからです。
バイアグラは、飲んでから効果が出るまで、約30分~1時間かかります。
そのため、バイアグラは、性行為をする時間を予め計算して飲まなければなりません。
しかし、最短約5分で効くエロクソンなら、性行為を始める直前に塗れば良いのです。
即効性の高さで知られるED治療薬の「レビトラ」でも最短約15分かかるので、そのすごさがわかるかと思います。
もし、エロクソンが販売されれば、即効性が最も高いED治療薬となるでしょう。
また、製薬会社のフューチュラメディカル社によると、ED疾患を持つ男性230人を対象とした臨床試験では、エロクソンの使用後に勃起の改善効果が見られたと報告しています。
被験者の44%が約5分以内に勃起し、70%は約10分以内に勃起し、それぞれ約30分勃起が持続したそうです。
エロクソンの副作用~副作用は少ない~
エロクソンの副作用は、製薬会社のフューチュラメディカル社によると、1,003例の臨床試験を行い、4例のみ軽度の副作用が現れたと報告しています。
軽度の副作用が出る確率は0.4%で、同社では「飲み薬タイプのED治療薬より副作用は少ない」と評価しています。
バイアグラなどの飲み薬タイプのED治療薬の場合、有効成分が全身に行き渡ってしまいますが、エロクソンなら有効成分が陰茎にのみ直接届くので、効果や副作用はその範囲で収まります。
エロクソンを使用して副作用が現れても、全身に及ぼすような副作用は起こりにくいでしょう。
また、併用禁忌症状(脳や心血管系、肝臓、腎臓などの疾患)を持っている方や併用禁忌薬を服用しているせいで従来のED治療薬が服用できなかった方でもエロクソンであれば使用できる可能性があります。
ただし、副作用などの詳細は、エロクソンが未発売のため、製薬会社が添付文書などで公表しておらず、明確にわかっていません。
副作用が少ないと言えど、その内容が確定した時には確認することが大切です。
その他、副作用ではありませんが、局所に直接ジェルで塗り込むので、錠剤と違って量の調整が難しいかもしれません。
塗りすぎると急に血圧が低下したり、効き過ぎて行為後も勃起状態が続いてしまう可能性もあります。
逆に塗る量が足りないと十分に効果を実感できないといったことがあるかもしれません。
いずれにせよ、使用前には添付文書などの説明書はしっかり読む必要があるということを覚えておきましょう。
まとめ~欠点はあれど、新しいED治療の選択肢になる~
エロクソンは、バイアグラなどの飲み薬タイプのED治療薬を使えないED疾患を抱える方にとっては、夢の新薬のように映るかもしれませんが、残念ながら欠点もあります。
それは、勃起促進効果が約30分しか持続できないという点です。
バイアグラは、勃起促進効果が約4時間~5時間持続し、レビトラは、約5時間~6時間です。
シアリスにいたっては、約24時間~36時間効果が持続します。
エロクソンは、陰茎に塗ってから最短約5分で勃起促進効果が出ますが、それから約30分で効果が消えてしまうのです。
性行為をゆっくり楽しみたい方にとっては、大きな欠点といえるかもしれません。
とはいえ、従来のED治療薬にはない特徴をエロクソンはたくさん持っています。
以下の様な方には、エロクソンが救いの一手になるかもしれません。
- 従来のED治療薬では効果を得られなかった方
- 従来のED治療薬の副作用に悩んでいた方
- 併用禁忌症状(脳や心血管系、肝臓、腎臓などの疾患)を持ち、従来のED治療薬が服用できなかった方
- 併用禁忌薬を服用しており、従来のED治療薬が服用できなかった方
- etc...
今後、エロクソンの様な外用薬タイプのED治療薬がED治療の選択肢の一つとなることが期待されます。
参考URL
- Home | Futura Medical plc.(フューチャラメディカル社)
- Eroxon® topical treatment for ED | Futura Medical plc.(フューチャラメディカル社)
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