突然ですが、皆さんは「炭酸水トレーニング」という陰茎(ペニス)を鍛えることができるとされている行為をご存知でしょうか。
インターネット上では、炭酸水トレーニングを行えば、「陰茎の増大」や「勃起力の向上」、「早漏の防止」などの効果が期待できると記載されているサイトが多く存在しています。
しかし、実際には、そのような効果は全くありません。
ただ、痛いだけです。
今回は、炭酸水トレーニングが陰茎に与える影響について解説します。
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炭酸水トレーニングとは?
炭酸水トレーニングとは、簡単に言えば、炭酸水で陰茎(ペニス)を鍛える方法のことです。
陰茎に炭酸水をかけたり、炭酸水の入ったコップなどに陰茎を入れて行われます。
「炭酸水チャレンジ」や「炭酸水チントレ」などと呼ばれることもあります。
2017年頃からTwitterやYouTubeなどのSNSで体験談や口コミが広まって流行りました。
「陰茎の増大」や「勃起力の向上」、「早漏の防止」などの効果が期待できるとされていますが、医学的・科学的に効果があると証明されたことはありません。
炭酸水トレーニングのやり方
一般的な炭酸水トレーニングのやり方をご紹介します。
炭酸水トレーニングのやり方
- コップの様な容器と炭酸水を用意する
- コップの様な容器に炭酸水を入れる
- その中に陰茎を根元まで入れる
- 約10秒~60秒間、陰茎を炭酸水に沈めたままにする
- その後、ゆっくり陰茎を炭酸水から出す
- 2~5までを1セットとして、休憩しながら2セット~3セット行う
※炭酸水トレーニングを推奨するものではありません
当クリニックでは、炭酸水トレーニングは様々な観点から推奨できない行為であると考えています。
あくまで、「炭酸水トレーニングのやり方」は、参考程度に捉えてください。
炭酸水トレーニングでは陰茎増大や早漏防止効果は期待できない
結論から言うと、冒頭で述べた通り、炭酸水トレーニングをしても陰茎を増大させたり、早漏を防止する効果はありません。
まして、勃起力を向上させる効果もありません。
炭酸水トレーニングの狙いは、炭酸が弾けたときの刺激によって陰茎に刺激耐性を持たせ、感度を鈍くして早漏を防止することです
さらに、炭酸の血管拡張効果によって陰茎の血流をスムーズにすることで、陰茎の増大や勃起力の向上も狙っています。
水に溶けた炭酸ガス(二酸化炭素)は、非常に分子構造が小さく細かいため、皮膚から体内へ浸透しやすく、毛細血管の中にまでに入っていきます。
毛細血管内の二酸化酸素濃度が高まると、酸欠と認識し、酸素を取り入れようと血管を拡張させます。
これによって血管が拡張され、血流量が増加するのです。
陰茎の血流量が増加すれば、陰茎海綿体が膨張しやすくなり、陰茎の増大や勃起力の向上が狙えるだろうという理屈なのでしょう。
たしかに、一見、理屈が通っているように思えます。
しかし、血管が拡張されるまで陰茎を炭酸水に入れて刺激に耐えなければならず、効果を得られたとしても個人差があり、ほんの一時的なものでしかありません。
そもそも、勃起には陰茎海綿体への血流量が重要なので、陰茎表面の毛細血管が拡張されても大きな影響はありません。
炭酸水トレーニングで陰茎を鍛えることはできないのです。
インターネット上で噂されているような効果を過度に信用しないようにしましょう。
刺激が強すぎる
炭酸ガスは、お風呂の入浴剤としても利用され、泡の力で肌を綺麗にしたり、血流を促進する効果があることが広く知られています。
しかし、炭酸風呂と炭酸水では炭酸濃度(ppm)が全く違うため、同じような血流促進効果を得ようとするのは間違いです。
炭酸風呂と炭酸水の炭酸濃度(ppm)
- 炭酸風呂:約250ppm~1,000ppm
- 炭酸水:約3,000ppm~4,000ppm
炭酸水は炭酸風呂の約3倍~10倍以上の炭酸濃度があるため、粘膜に近い陰茎に触れさせるには刺激が強すぎます。
炭酸水トレーニングを無理に続けると、感度が鈍くなり過ぎて、早漏が改善されるどころが「遅漏」や「不感症」を引き起こす可能性があります。
「膣内射精障害」などの射精障害を引き起こす可能性もゼロではありません。
まとめ~炭酸水トレーニングはやらないで!~
炭酸水トレーニングは、陰茎にとって刺激が強烈すぎるため危険です。
安易な気持ちで炭酸水トレーニングをやってみようとは思わないでください。
「冗談で昔流行った遊び」程度に捉えておく方が良いでしょう。
本当に早漏を改善したいなら早漏治療薬を服用すればいいでしょうし、勃起力を高めたいのであればED治療薬があります。
どちらも当クリニックでも取り扱っているので、興味がある方は、ぜひご来院ください。
スタッフより
クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか、参考にはなったでしょうか?
いま、なんらかの症状でお悩みのそこのあなた!
一人で悩まず、まずはご相談ください。