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バイアグラ錠25mg・50mg・100mgの違い【医師監修】

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バイアグラ錠25mg・50mg・100mgの違い【医師監修】

何らかの薬剤を服用する際、「お薬は用法・用量を守って正しくお使いください」という文言を目にすると思います。
どのような薬剤にも「用法(服用方法)」や「用量」というものが必ず存在します。

用量とは、薬剤の1回分、または1日分として定められた投与量(使用量)や投与回数(使用回数)のことです。

もちろん、ED治療薬のバイアグラも例外ではなく、定められた用法や用量があります。

適切な量を服用すればEDを改善する「効果」を持つ反面、多く服用すると何らかの不調に繋がる「副作用」を引き起こす可能性が高くなります。
「効果」を最大限に発揮させ、「副作用」を最小限に抑えるために用法や用量が定められているのです。

しかし、服用する用量の違いによって効果や副作用などが具体的にどれ程の違いが出るのか疑問に思う方も多いはず。

今回は、バイアグラの用量別(25mg・50mg・100mg)の違いについて解説します。

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バイアグラの用量

バイアグラの外箱

バイアグラの用量は、一錠中に含まれる有効成分「シルデナフィル(シルデナフィルクエン酸塩)」の含有量によって異なります。

バイアグラの錠剤には、用量別に以下の種類があります。

バイアグラの用量

バイアグラ錠25mg 1錠中に有効成分「シルデナフィル」が25mg含まれている錠剤(「シルデナフィルクエン酸塩」としては35.12mg含有)
バイアグラ錠50mg 1錠中に有効成分「シルデナフィル」が50mg含まれている錠剤(「シルデナフィルクエン酸塩」としては70.23mg含有)
バイアグラ錠100mg 1錠中に有効成分「シルデナフィル」が100mg含まれている錠剤(「シルデナフィルクエン酸塩」として何mg含有されているかは不明)

※バイアグラ錠100mgは国内未承認

日本国内では、「バイアグラ錠25mg」と「バイアグラ錠50mg」の2つの規格が1999年1月25日に製造販売承認を受け、同年3月23日より発売されました。

また、高用量規格の「バイアグラ錠100mg」は欧米では販売されていますが、日本国内では未承認のため、販売されていません。
インターネット通販サイトで海外から個人輸入(輸入代行を含む)で購入することができますが、「国内正規品(国内で承認された薬)のバイアグラ錠100mg」というものは存在しないので覚えておきましょう。

用法・用量

バイアグラは、以下の用法・用量を守って服用するように定められています。

用法・用量

1回の用量 25mg~50mgまで
用量の目安
(当クリニックの場合)
25mg
高齢者の方(65歳以上の方)や健康状態が万全でない方など
50mg
健康成人男性
服用のタイミング 性行為の約1時間前(空腹時は約30分前)
服用時の飲料 水、またはぬるま湯で服用
1回の服用回数 1日1回まで
服用間隔 24時間以上の間隔を空ける
服用時の条件 空腹時に服用
食後に服用する場合は約2時間以上の間隔を空ける
服用後、約30分以上経過すれば食事可能

※服用方法は用量に関わらず、全て同じ

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バイアグラの基本知識・処方価格
バイアグラの特徴や効果、副作用など基本的な情報について解説します。また、当クリニックでのバイアグラの処方価格についてもご案内しています。

バイアグラの用量別(25mg・50mg・100mg)の違い

バイアグラの用量別(25mg・50mg・100mg)に何が異なるのかを比較したので、ご覧ください。

バイアグラ用量別の比較

販売名 バイアグラ錠25mg バイアグラ錠50mg バイアグラ錠100mg
外箱画像
バイアグラ錠25mgの外箱
バイアグラ錠50mgの外箱
バイアグラ錠100mgの外箱
PTP包装シート画像
バイアグラ錠25mgのptpシート
バイアグラ錠50mgのptpシート
バイアグラ錠100mgのptpシート
錠剤画像
バイアグラ錠25mgの錠剤
バイアグラ錠50mgの錠剤
バイアグラ錠100mgの錠剤
有効成分 1錠中にシルデナフィルが25mg含有(シルデナフィルクエン酸塩としては35.12mg含有) 1錠中にシルデナフィルが50mg含有(シルデナフィルクエン酸塩としては70.23mg含有) 1錠中にシルデナフィルが100mg含有(シルデナフィルクエン酸塩として何mg含有されているかは不明)
添加物
(添加剤)
結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン、青色2号 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン、青色2号
錠剤の外形 長径:6.8mm、短径:9.3mm 長径:8.2mm、短径:11.3mm 不明
錠剤の厚さ 3.4mm 4.4mm 不明
錠剤の質量 154.88mg 309.75mg 不明
錠剤の色 青色 青色
識別コード VGR 25 VGR 50 VGR 100
包装
(PTP包装シート)
20錠(10錠×2シート) 20錠(10錠×2シート)、100錠(10錠×10シート) 4錠(4錠×1シート)
当クリニックでの処方価格(1錠) 1,200円 1,400円 取り扱いなし
効果の強さ
(勃起時の硬さ)
強い(高用量ほど効き目が強い傾向があり、個人差によっても若干変動) 強い(高用量ほど効き目が強い傾向があり、個人差によっても若干変動)
効き始める時間 約30分後~(個人差によって若干変動) 約30分後~(個人差によって若干変動)
効果のピーク時間 約1時間後(個人差によって若干変動) 約1時間後(個人差によって若干変動)
効果の持続時間 約4時間~5時間(高用量ほど持続時間が伸びる傾向があり、個人差によっても若干変動) 約4時間~5時間(高用量ほど持続時間が傾向があり、個人差によっても若干変動)
副作用の強さ 強い(高用量ほど副作用が強い傾向があり、個人差によっても若干変動) 強い(高用量ほど副作用が強い傾向があり、個人差によっても若干変動)
副作用の発現頻度 現れやすい(高用量ほど副作用が出やすい傾向があり、個人差によっても若干変動) 現れやすい(高用量ほど副作用が出やすい傾向があり、個人差によっても若干変動)
食事の影響 食事の影響を受ける(個人差によって若干変動) 食事の影響を受ける(個人差によって若干変動)
アルコールの影響 適量摂取は、リラックス効果で相乗作用あり(個人差によって若干変動)
多量摂取は、効果の低下、めまい、急性アルコール中毒の可能性あり(個人差によって若干変動)
適量摂取は、リラックス効果で相乗作用あり(個人差によって若干変動)
多量摂取は、効果の低下、めまい、急性アルコール中毒の可能性あり(個人差によって若干変動)

※バイアグラ錠100mgは国内未承認

外箱やPTP包装シートの違い

バイアグラは、用量ごとに外箱PTP包装シートのデザイン(色など)が異なります。

  • バイアグラ錠25mgは、1シート10錠入りのPTP包装シートが2個(20錠)、白色と赤紫色、紺色を基調とした箱に収納されています。
  • バイアグラ錠50mgは、1シート10錠入りのPTP包装シートが2個(20錠)、または1シート10錠入りのPTP包装シートが10個(100錠)、白色と水色、紺色を基調とした箱に収納されています。
  • バイアグラ錠100mgは、1シート4錠入りのPTP包装シートが1個(4錠)、販売されている地域にもよりますが、白色と翠色、紺色を基調とした箱に収納されています。

また、PTP包装シートの色も用量ごとにそれぞれ異なります。

錠剤の違い

バイアグラは、用量ごとに錠剤の大きさ(直径・厚さ・質量)が異なります。
高用量になればなるほど、有効成分であるシルデナフィルの含有量が増えるため、錠剤が大きくなっていきます。

また、錠剤に刻まれた識別コードも用量ごとにそれぞれ異なり、用量に応じた数字が錠剤に刻まれています。

  • バイアグラ錠25mgは、「VGR 25」という数字が刻まれ、反対側には「Pfizer」の文字が刻まれています。
  • バイアグラ錠50mgは、「VGR 50」という数字が刻まれ、反対側には「Pfizer」の文字が刻まれています。
  • バイアグラ錠100mgは、「VGR 100」という数字が刻まれ、反対側には「Pfizer」の文字が刻まれています。

ただし、錠剤内に含まれている添加物(添加剤)や外見上の錠剤の色や形に違いはないようです。

製造販売元が「ファイザー株式会社」から「ヴィアトリス製薬株式会社」へ【補足情報】

錠剤の識別コードとして「Pfizer(ファイザー)」の文字が刻まれていますが、現在の製造販売元は「ファイザー株式会社」ではありません。
2021年9月、「ファイザー株式会社」から「ヴィアトリス製薬株式会社」へ製造販売元が移管されています。

また、ED治療薬に関する情報提供を目的としたサイト「ED-info.net」の運営も「ファイザー株式会社」から「ヴィアトリス製薬株式会社」へ変更されています。

効果や副作用の違い

バイアグラは、個人差はありますが、用量ごとに効果副作用が若干異なります。

効果の強さ(勃起時の硬さ)や持続時間

  • バイアグラ錠25mg < バイアグラ錠50mg < バイアグラ錠100mg

※用量や個人差によって若干変動

副作用の強さや発現頻度

  • バイアグラ錠25mg < バイアグラ錠50mg < バイアグラ錠100mg

※用量や個人差によって若干変動

基本的に、高用量になればなるほど効果が強く現れたり、副作用の発現頻度が高まる傾向があります(個人差はあります)。
しかし、用量が倍になったからと言って、効果や副作用も倍になるかというと、そういうわけではありません。

例えば、バイアグラ錠25mgよりもバイアグラ錠50mgのほうが効果の強さ(勃起時の硬さ)が増したり、効果の持続時間が長くなる傾向があるものの、それらが単純に倍になって感じられるということではないのです。
用量が4倍も違うバイアグラ錠25mgとバイアグラ錠100mgを比較したとしても同様のことが言えます。

ちなみに、効果の効き始める時間効果のピーク時間には用量ごとに大きな違いはないようです。

また、食事やアルコールの摂取による影響も用量ごとに大きな違いはないということが分かっています。

バイアグラに限らず、薬剤には、個人個人に適した用量があります。
副作用の強さや発現頻度も用量の高さと比例しているため、高用量に変更することが必ずしもメリットに繋がると言えないからです。

なるべく低用量から服用を開始し、効果と副作用の度合いを見つつ、自分に合った用量を服用するのがベストでしょう。

処方価格の違い

バイアグラは、用量ごとに処方価格が異なります。

基本的に、高用量になればなるほど処方価格は高くなります。
当クリニックでの処方価格は以下の通りです。

処方価格・費用

バイアグラ錠25mg 1錠 1,200円
バイアグラ錠50mg 1錠 1,400円
バイアグラ錠100mg 取り扱いなし
診察料・処方料 0円
初診料・再診料 0円
健康保険の適用 適用外(自由診療)

※料金や価格は全て消費税込みの表示となっております
※オンライン診療の場合は、別途、予約料やお薬の送料が発生します
※バイアグラの処方に健康保険証や身分証明書は必要ありません
※バイアグラ錠100mgは国内未承認

当クリニックでは、バイアグラを1錠(税込み1,200円)から処方可能となっており、診察料・処方料・初診料・再診料はすべて無料です。
患者様が医療費の全額を負担する、自由診療となっていますが、バイアグラの処方にかかる費用は薬剤代のみ(オンライン診療を除く)となります。

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薬物動態(血中濃度の推移)

血流のイメージ

薬物動態(Pharmacokinetics:PK)とは、体内に薬物が投与されてから排泄されるまでの血中濃度や速度などの過程を示したものです。

体内に投与された薬物は、「吸収(absorption)」され、体内組織に「分布(distribution)」し、様々な酵素により「代謝(metabolism)」されることで別の化合物へと変換され、最終的に「排泄(excretion)」されて体内から消失します。
この一連の過程の4つの頭文字をとって「ADME(アドメ)」と呼ばれることもあります。

薬物の血中濃度がどのように変化したかを追うことで、薬物の効果や効能、副作用など発現の関連性などを調べることができます。

実際に、バイアグラの有効成分であるシルデナフィルがどのような薬物動態を示したのかを用量別に調査したデータがあるので、ご紹介します。

単回投与時の血中濃度

単回投与時のデータ

※「バイアグラの添付文書 | ヴィアトリス製薬株式会社」から引用しています

上記のグラフは、健康成人男性20人に対し、バイアグラ錠25mgとバイアグラ錠50mg、バイアグラ錠100mgをそれぞれ単回経口投与した場合、時間経過によって血漿中未変化体濃度(血液中の薬物濃度)がどのように推移したのかを示したものです。

薬物動態学的パラメータ

投与量(mg) AUClast(ng・h/mL) AUC∞(ng・h/mL) Cmax(ng/L) Tmax(h) T1/2(h)
25mg 231±103 - 105±62 0.8±0.6 -
50mg 504±202 - 192±102 0.9±0.4 -
100mg 1,148±274 1,190±301 425±147 0.8±0.4 3.31±0.81

※算術平均値±標準偏差(n=20)
※AUClast:0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度-薬物血中濃度時間曲線下面積
※AUC∞:0時間から最終定量可能時間までの血漿中濃度-薬物血中濃度時間曲線下面積
※Cmax:最高血漿中濃度
※Tmax:最高血漿中濃度到達時間
※T1/2:消失半減期
※「バイアグラの添付文書 | ヴィアトリス製薬株式会社」から引用しています

やはり、用量の多い「バイアグラ錠50mg」や「バイアグラ錠100mg」の方が、「バイアグラ錠25mg」より多くの有効成分を血中に吸収されることを示しています。
一般的には、体に取り込まれる有効成分が多いほど、効果や副作用などが強く出て、持続時間も長くなる傾向があります。

ちなみに、当クリニックでは、患者様の健康状態や年齢などを考慮した上で、「性行為の際に日やシチュエーションによっては問題なく勃起できる。もしくは、自慰行為の際には全く問題ない」という方には「バイアグラ錠25mg」を処方しています。
また、「毎回、性行為の際に勃起できない。もしくは、自慰行為の際にも勃起できないことがある」という方には「バイアグラ錠50mg」を処方することが多いです。

副作用が心配であれば、最も低用量の「バイアグラ錠25mg」を処方し、ピルカッターなどで分割して服用することを推奨することもあります。

まとめ~服用する用量は医師の診断に任せよう~

バイアグラ錠25mg」「バイアグラ錠50mg」「バイアグラ錠100mg」の違いについて解説しました。
バイアグラは、用量ごとに効果や副作用が異なる場合があることがご理解いただけたかと思います。

バイアグラ錠を服用する場合は、必ず医師の診断に従い、処方時に服用する用量を決めるようにしましょう。
勝手に服用時の用量を増やしたり、減らしたりしてはいけません。

なるべく安全で効果的にED治療を受けるために、正しく服用することが大切です。

合わせて読みたい
バイアグラの基本知識・処方価格
バイアグラの特徴や効果、副作用など基本的な情報について解説します。また、当クリニックでのバイアグラの処方価格についてもご案内しています。

スタッフより

スタッフ

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