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ポルノ依存症の恐ろしさとは?AVの見過ぎによるEDのリスクも解説【医師監修】

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ポルノ依存症の恐ろしさとは?AVの見過ぎによるEDのリスクも解説【医師監修】

ポルノ依存症とは、AVなどの性的コンテンツの過剰な視聴によって日常的あるいは長期的に様々な悪影響を及ぼす症状です。
場合によってはED(勃起不全)を併発する可能性もあるため、放置せず適切に対処することが大切です。

今回は、ポルノ依存症の基礎知識に加えて、その恐ろしさを解説します。
ポルノ依存症やAVの見過ぎが原因で生じる「ポルノ誘発性勃起不全」の5つの対策も紹介するので、ポルノ依存症やEDで悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。

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ポルノ依存症とは

悩む男性

ポルノ依存症とは、文字通り性的興奮を誘発するポルノ作品に対して過度な依存をする症状を指します。
AVなどの成人向けコンテンツに過剰に依存します。

インターネット上のポルノコンテンツに依存してしまう「ネットポルノ依存症」という分類もあります。
インターネットが発達し、性的コンテンツに容易にアクセスできる現代ならではのポルノ依存症といえるでしょう。

また、ポルノ依存症は、強い性衝動を抑えきれなくなることで生じる「強迫的性行動症」に分類されます。
例えば、パートナーに対する過剰な依存心やストーカー行為のように、良くないことだとわかっていても性衝動を抑えきれず行動に移してしまう場合などは強迫的性行動症であり、ポルノ依存症もその一つに該当します。

ポルノ作品を見ること自体は悪いことではない

ここまでポルノ作品がネガティブなもののように感じたかもしれませんが、人間は多かれ少なかれ性欲を抱くことは一般的であり、ポルノ作品を見ること自体は自然なことです。

しかし、ポルノ依存症の方は、良くないことだとわかっていても自分自身の行動を制御できなかったり、生活に支障をきたすレベルでポルノコンテンツに依存したりしてしまう特徴があります。
定義が曖昧なため、ポルノ依存症かどうかを明確に判断するのは難しいですが、日常生活よりもポルノ作品を見漁ることを優先してしまう場合は、ポルノ依存症に該当する可能性が高いでしょう。

ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」といわれるAV視聴の頻度目安

リモコン

では、何時間くらいAVを視聴していると、ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」といわれるレベルになるのでしょうか。
残念ながら、医学的にはAVの見過ぎといわれる明確な時間は定義されていません。
ただし、海外の調査などから、見過ぎといわれる時間を推定することは可能です。

オーストラリアで行われた調査によると、11歳~17歳は平均週2時間~4時間、AVを視聴している結果が出ています。
これは、1日あたり約17分~34分に相当します。

約17分~34分では、マスターベーションによって1回~2回程度のオーガズム(射精)が限界でしょう。
AVでマスターベーションを毎日1回~2回程度行なう程度では、AVの見過ぎとはいえなさそうです。

では、ヘビーAV視聴者は、どれくらい見ているのでしょうか。
同じくオーストラリアの調査ですが、ポルノ中毒(AV中毒)といわれるような男性になると、毎日約5時間~6時間、AVを視聴しているそうです。
複数のディスプレイを使って、複数のAVを同時に視聴するケースも報告されています。

毎日約5時間~6時間となると、仕事や学校などの時間以外の大半はAV視聴に使っていることになります。
仕事や勉強などに支障が出てきて、ポルノ依存症に当てはまる可能性が高いといえるでしょう。

1分でできる!ポルノ依存症の簡易診断テスト

ポルノ依存症かどうかを判定するための簡易診断テストを、以下に用意しました。
いくつ当てはまっているかチェックしてみてください。

ポルノ依存症の診断チェックリスト

  • AVの視聴に多くの時間をかけてしまう
  • AVを見続ける手を止められず禁断症状が出ている
  • AVの刺激に慣れてしまい現実の性行為に物足りなさを感じる
  • プライベートよりもAVの視聴を優先することがある
  • 学校や仕事を遅刻したり休んだりしてしまう

明確な数値的基準は存在しないものの、上記のうち一つでも該当する場合は、ポルノ依存症のリスクがあります。
また、当てはまる項目の数が多いほど、ポルノ依存症のリスクは高いといえるでしょう。

下記では、ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」によって生じる恐ろしさを解説しているので、簡易診断テストの項目に一つでも当てはまった方は確認してみてください。

ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」の恐ろしさ

驚く男性

ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」が生活に支障をきたすことは容易に理解できるかもしれませんが、長期的に見ると恐ろしいリスクが潜んでいる可能性があるのです。

ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」の恐ろしさ

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ポルノ依存症やAVを過剰に見る習慣を放置すると、上記のようにほかの症状に発展する恐れがあることを認識しておきましょう。

以下でそれぞれ詳しく解説します。

脳が萎縮して薬物依存に似た症状が現れる

AVを過剰に見たりポルノ依存症に陥ったりすることで、脳が萎縮する可能性があるといわれています。
ポルノ依存症は数ある依存症のうちの一種であり、薬物依存やアルコール依存といったその他の依存症と本質的には似ているものです。

ある研究結果によれば、ポルノ作品の視聴時間が長い人ほど脳の一部である尾状核(びじょうかく)と呼ばれる部分のサイズが小さいことが報告されています(※1)。
AVの視聴が長引くことで尾状核が小さくなるのか、それとも尾状核が小さいことでポルノ依存症になりやすいのかといった因果関係は明確ではありませんが、いずれにしても互いは関連性をもっている可能性が示唆されています。

尾状核は運動や記憶・性に関する機能にかかわる組織であるため、ポルノ依存症の方はこれらの機能が低下している可能性があるのです。

※1 参考:Kühn S, Gallinat J. Brain Structure and Functional Connectivity Associated With Pornography Consumption: The Brain on Porn. JAMA Psychiatry. 2014;71(7):827–834.

うつ病などのメンタル疾患を引き起こす

前述の脳が萎縮するなどの理由から、ポルノ依存症やAVの見過ぎでうつ病などのメンタル疾患を引き起こす可能性があります。

特に尾状核と呼ばれる脳の部位は、感情のコントロールを担う役割があります。
そのため、AVの見過ぎによって脳に悪影響が加わり、結果としてポルノ依存傾向がさらに悪化する悪循環に陥る可能性も考えられるのです。

また、ポルノ依存症になり性的興奮にある程度慣れてしまうと、性的刺激を受けても心理的興奮に繋がりにくくなり、やる気を引き起こすドーパミンというホルモンが分泌されにくくなります。

ドーパミンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれる物質の一種であり、ポルノ依存症によってドーパミンの分泌量が低下してやる気が出にくくなり、活力が衰える可能性も否定できません。

何事にもやる気が起きないと日常生活をまともに送れなくなり、心理的にもネガティブな方向に向かってしまう恐れがあるのです。

遅漏やEDになり性行為に支障をきたす

AVの見過ぎでポルノ依存症に陥っている方は、日常的に強い性的刺激に慣れているため、現実の性行為で性的興奮が不足するなどして遅漏ED(勃起不全)を引き起こす可能性があります。

遅漏になると、射精に至るまでに長時間を要したり、膣内の刺激だけでは射精にたどり着けない「腟内射精障害」に繋がったりする恐れがあります。

また、ED(勃起不全)になると、性行為の途中で陰茎の膨張が弱まってしまい性行為を続行できなかったり、そもそも勃起力が不足して膣内に挿入できなかったりすることから、性行為に与える悪影響は大きいです。

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AVの見過ぎが引き起こす「ポルノ誘発性ED」の原因

パソコンを見る男性

冒頭で触れましたが、ポルノ依存症や「AVの見過ぎ」によって性行為時に勃起力が維持できなくなることがあり、これを「ポルノ誘発性勃起不全(Porn Induced Erectile Dysfunction:PIED)」といいます。

以下では、AVの見過ぎがEDに繋がる原因を解説します。

ポルノ誘発性勃起不全の原因

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ポルノ誘発性勃起不全は、身体機能の衰えが進行する40代〜50代以上に限らず、血流などに問題がない10代~20代の若い世代でも起こりえるEDです。
AVの見過ぎでEDを発症していることに気付かない方もいるので、当てはまりそうな原因がないか一度この機会に確認してみてください。

通常の性行為に性的興奮を感じにくくなる

AVの強い性的刺激に慣れてしまうと一般的な性的刺激では満足できなくなり、結果としてEDになることがあります。
EDの原因とされる中には、心因性EDという心理的な要素が大きく影響する場合もあり、自分の意思とは関係なくEDを引き起こすことがあります。

最近ではアダルトサイトが数多く存在しており、パソコンだけでなくスマートフォンでも簡単にAVを視聴できる時代です。
アメリカの調査では、AVを初めて視聴した男性の平均年齢は13歳だそうです。
若年層からAVを見過ぎると、性的刺激が鈍化するといわれています。

初体験前の若者がこういった架空のシナリオの性行為を見せられてしまうと、現実の性行為の際にギャップが起きてしまい、EDを発症することがあります。

つまり、AVを見過ぎたりポルノ依存症を発症したりしてしまうと、現実の性行為に対して性的興味がもてなくなってしまうのです。

AV女優と一般的な女性のギャップに萎えてしまう

ポルノ依存症やAVの見過ぎは、現実とのギャップを生み、それが勃起の弊害になります。

例えば、AVには男性の性的興奮を誘うために、胸の大きな女性やスタイルの良い女性、顔が整った女性が登場します。
しかし、実際に付き合っているパートナーの胸やスタイル、顔は、必ずしもそうとは限りません。

ギャップを感じると、付き合っているパートナーから性的興奮を得られなくなってしまうのです。

また、AVに出演する女性には、性器周辺のアンダーヘアを剃り落としていることがあります。
これに見慣れてしまうと、アンダーヘアがある女性器に違和感をもってしまいます。

つまり、女性器を見て興奮する視覚的刺激が失われることになります。
パートナーを見て「AV女優と違う」と思ってしまうギャップが、EDを誘発させてしまうのです。

過度な自慰行為により陰茎の血管や神経が傷つく

ポルノ依存症になると、マスターベーションの頻度は高まるでしょう。
マスターベーションは、自分の好きなタイミングで、思い通りに性的快感を得ることができます。

しかし、AVの見過ぎによって過度なマスターベーションを繰り返して力加減を誤ると、勃起に必要な神経や血管などを傷つけて、EDになることがあります。

正しいマスターベーションを覚える前からAVの世界を知ってしまい、オーガズム(射精)を得るために陰茎をいじりすぎてしまうと、そういったことが起こりえます。

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ポルノ依存症やポルノ誘発性EDを治すには?5つの対策

注意する男性

性欲は「三大欲求の一つ」といわれることから、AVの見過ぎやポルノ依存症を自身でコントロールするのは難しいでしょう。
特に現代は、パソコンやスマートフォンからAVを容易に視聴できる時代であるため、なおさら性衝動のコントロールは困難です。

そのため、ポルノ依存症やポルノ誘発性に対処するには、いくつか工夫した対策を取ることが大切です。

ポルノ依存症やポルノ誘発性EDの5つの対策

  1. アダルトサイトの閲覧をブロックする
  2. ポルノ以外の夢中になれることを見つける
  3. 認知行動療法を取り入れる
  4. ポルノ依存症のカウンセリングを受ける
  5. ED治療薬を服用して性行為から満足感を得る

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AVの視聴は、やめようとすればするほどかえって逆効果となってしまいます。
挫折しにくい適切な方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

①アダルトサイトの閲覧をブロックする

人間の脳は、簡単に誘惑に抗えるようにはできていないため、AVの視聴頻度を下げるには仕組みで対処するのがおすすめです。
そのためには、アダルトサイトの閲覧をブロックするアプリを導入してみましょう。

例えば、BlockSiteというアプリは、指定したWebページやアダルトサイトにアクセスしようとすると、自動的にブロック機能を働かせることができます。
アダルトサイトをブロックすると、性的興奮を鎮めるような画像が画面に表示されることから、ポルノ依存をある程度抑えられると期待できるのです。

性衝動を抑えることが簡単ではないからこそ、こういったアプリやツールが存在します。
暇があればアダルトサイトを開いてしまう方は、ぜひ活用してみてください。

②ポルノ以外の夢中になれることを見つける

AVに夢中になったりポルノ依存症に陥ったりしてしまうのは、ポルノ関連以外の夢中になれることが不足しているからともいえます。
そのため、趣味や好きなことを見つけるなどして、ポルノ以外に使う時間を増やすのもよいでしょう。

特に運動やスポーツといった身体を動かす習慣は、リフレッシュにもなり脳をスッキリさせる効果も期待できるため、AV視聴に対する欲求を抑えやすくなると考えられます。

あるいは、現在パートナーがいないのであれば、出会いの場に顔を出すなどして恋愛をしたり、その延長線上として性生活を充実させたりすることもおすすめです。
最近では、マッチングアプリによる出会いも主流になってきているので、ぜひ活用してみましょう。

③認知行動療法を取り入れる

ポルノ依存症やポルノ誘発性EDを抑えるために用いられる手法の一つに、認知行動療法があります。

認知行動療法とは、簡単に言えばついついしてしまう思考や行動の癖を客観視して見直していく方法です。

ポルノ依存症やポルノ誘発性EDに認知行動療法を取り入れる場合、まずはAVを視聴する頻度や内容、時間といった情報を洗い出して客観視します。

次に、その状況が続くことによって長期的にどのようなリスクが生じるのかを再認識するフェーズがあります。
ついAVを見る行動は、長期的なリスクよりも短期的な快楽を優先してしまうためなので、再認識のフェーズは非常に重要です。

最後に、「認知」と「行動」の修正を行い、AVの視聴頻度を減らしていきます。
「性欲が強いからポルノ依存症は治らない」と思考をもっているのであれば、「適切な対策によってポルノ依存症やEDは改善に向かうはずだ」と適切なとらえ方をインプットします。
そのあと、AVの見過ぎによる中長期的なリスクを念頭に置きながら、この章で紹介しているようなアクションに一つひとつ取り組むという流れです。

認知行動療法は、ポルノ依存症をはじめとした依存症だけでなく、うつ病やパニック障害といった様々なメンタル関連の症状に対する効果も確認されている(※2)ので、試す価値はあるでしょう。

※2 参考:認知行動療法|厚生労働省

④ポルノ依存症のカウンセリングを受ける

AVの見過ぎの習慣から抜け出せない方のために、ポルノ依存症専門のカウンセリングというものが存在します。
自身のみで感情をコントロールすることは難しいからこそ、第三者の専門家から適切な指導を受けることが大切です。

場合によっては、前述の認知行動療法を通してポルノ依存症の改善に取り組むケースもあります。
認知行動療法は一人でも不可能ではないですが、プロセスが複雑であり適切に実施できているかどうかの判断を自身のみで行うのは簡単ではありません。

AVの見過ぎを抑えたい場合は、カウンセリングも視野に入れるとよいでしょう。

⑤ED治療薬を服用して性行為から満足感を得る

ポルノ誘発性勃起不全で勃起力不足に陥るという症状自体は、ED治療薬を服用すれば改善に向かう可能性があります。
パートナーがいるものの、ポルノ依存症やAVの見過ぎが原因で性行為がうまくいかない方は、ED治療薬の力を借りてみるとよいでしょう。

前述の通り、ポルノ依存症の原因の一つに、AV女優と一般的な女性のギャップに萎えてしまうことがあります。
こうした原因によって膣内への挿入すら叶わず、パートナーとの性生活にトラウマを生じてしまう可能性があるのです。

ED治療薬は、こうした性生活の入口をサポートする意味でも活用の価値があります。
つまり、ED治療薬の服用を通してパートナーとの性行為を一度でもスムーズに成功させることができれば、AVの視聴とは異なる満足感を現実の性行為から得ることができるかもしれません。

ただし、ED治療薬自体に性的興奮を高める作用はありません。
あくまで勃起力を高めることでポルノ誘発性勃起不全、ひいてはポルノ依存症の克服を期待するものであると理解しておいてください。

なお、病院やクリニックなどの医療機関でED治療薬は処方されます。
薬局でED治療薬の販売はしていません。

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まとめ~AVの見過ぎはEDのリスクあり!今日からポルノ依存症対策に取り組もう~

AV自体は私達の身体に害を及ぼすものではありませんが、日常生活に支障を与えるほど依存するのは問題です。
場合によってはポルノ依存症になったり、EDを発症するとともに性行為をできなくなったりするリスクがあります。

EDを解消したいのであれば、ED治療薬の服用を試してみるとよいでしょう。
性行為に対する成功体験や満足感が、ひいてはポルノ依存症の緩和にも繋がる可能性があります。

今回紹介した5つの対策を参考に、根気強く取り組んでみてください。

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スタッフより

スタッフ

クリニックコラムをお読みいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか、参考にはなったでしょうか?

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